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二世に生まれた。出口はまだない。【中学生編】2
共同運営の定期購読マガジン「虹色通り」のメンバーは、リコ、なちこ、ゆず、やなぎだけいこ、はられ、ららみぃたんの6名です。
内容はメンバーそれぞれ毛色の違った内容となっております。
無料では読めないものばかりです。是非、ご興味ある方は手に取っていただけますと幸いです。
金額は250円/月
単品購入も可。
単品の場合、定期購読マガジンより高い設定になります。ご了承ください。
虹色通りについての詳細は、メンバーであるららみぃたんさんの記事を一度お読みくださるととても分かりやすいかと思います。
宜しくお願いします。
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中学一年生の中盤から私は成績が芳しくなく、勉強をすること自体に苦手意識を抱いていた。
姉は大学受験に向けて忙しく、父は毎日朝から晩まで力仕事。家に帰ってくるとお風呂と食事をさっさと済ませて自室で体を休める日々。母は姉の受験と私の成績の不甲斐なさに常に神経をとがらせていたように思う。
私は毎日母に怒られまいと顔色を伺いながら過ごしていたけれど。
どうしても避けられない「怒られる日」がやってくる。テスト期間だ。
中学一年の三学期、中間テストで私はまたもや成績を落とした。
そして期末テストでも再度テストの点数は最悪なものに。
母は常に眉間にしわを寄せ、睨みつけ、頭の良い姉と比べては私を非難する。
私は段々と心が擦り減っていき、中学二年にあがったとある夜中、ひとり台所に立ちゆっくりと包丁を握りしめていた。
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