二世に生まれた。出口はまだない。【幼少期編】3
私が小学校の高学年になってくると、3つ上の姉は中学生。
塾通いと部活に忙しい姉とは家の中でも会話をしなくなり、顔を合わせるのは決まって朝晩の勤行の時くらい。
特に姉の高校受験が近づいてきた時期は、家の中は今まで以上にピリピリとしていた。
両親は姉の受験と学会活動に忙しく、今こうして書き起こしてみても私はあの頃家ではどう過ごし何をしていたのかあまり覚えていない。
ただ、家の中はあまり居心地のいいものではなかった。
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