太陽は買えない、太陽はいらない
先週公開されたお部屋記事から
この写真を見て違和感に気づくだろうか。
ヒントは2つ、窓と時計と言えば気づく人も多いと思う。
その日、天候はすこぶる良く午後に行ったお部屋が明日公開されるが
素晴らしい快晴で、秋とは思えない夏日だった。
にもかかわらずである。答えはそうお部屋の暗さだ。
部屋は北向きですこぶる日当たりが悪かった。
以前、伺った別のお部屋で家探しの際にお母さんから
「太陽は後で買えないから、絶対に日当たりのよい物件を選んだ方が良いよ」
と何度も言われて日当たりの良いお部屋を選ばれた方がいた。
住んで数年経っているのに変わらず覚えている言葉で、確かに日当たりはよく
窓辺には元気いっぱいの植物が並んでいた。
気分や運気さえも左右されてしまうくらい大事な日当たりは内見の際の判断基準でもTOP3に入ってくるくらいだろう。
さて散々、日当たり良い部屋派(そんな派があるのかはさておき)の話をしてきた中で今回のお部屋の話に戻る。
元々住まい選びの際に知らなかったと言われてしまえば、仕方がないが
今回のyumiさんは北向きで日当たりが悪いことは分かっていて、その上でお部屋を選んでいた。そこには2つの理由がある。
1つはずばり家賃。当たり前だが同じ物件で広さも一緒なら南向きより北向きの方が安い。
今回も1万円以上の差額があって、少なくとも1年以上は住むと考えると積み上がる差額は大きい。一生住む訳でもない賃貸、しかも他にお金を回したいなら削れるところは削りたいと思うのは普通である。
自分も東京に引っ越してきて最初の住まいは日当たりが悪かった。
安さに惹かれ、かつ東京の相場観が分からず、住むこと約5年。
立地の良さや住めば都ではないが、あっという間に慣れてしまった。慣れって怖い。だけどあの住まいもいろんな思い出が詰まった好きな場所だった。
家賃の話は共感してもらえる人も多いのではと思う一方で2点目は少し特殊。
寝るのが好きで明るい部屋だと目覚めてしまう。だから日当たりが良すぎる必要はない。
極端に言えば「太陽はいらない」という話だった。
どれくらい寝るものなのかと聞くと、ずばりいくらでも眠れるという話で
例えば休日前の深夜12時に寝たら、翌日の18時ぐらいまでは眠れるとのこと。(それも起きようとしなければもっと眠れるらしい。)
正直、羨ましいのか引いてしまっているのか、自分でも分からない間が生まれた。
そんなに寝たら、自分だと逆に気分が悪くなりそうだと話すと
そんなことはないですよ(笑)と明るく流された。
北向きですら明るく感じることもあるらしく、本当に寝たいときはアイマスクも必須。
これが睡眠ガチ勢、いや、もはやプロだろう。
今度はすごく別の方向で極端な話になってしまったので、一応補足しておくと
睡眠以外ではもう少し明るい部屋が良いなと感じることもあるとのこと。
お部屋の写真を撮る上では、もう少し明るくあって欲しいらしい。
日当たりなんてあればあるだけ良いと思ってしまいがちだが
ライフスタイルによって優先順位は異なる。
太陽の代わりに得られるものもまたあるんだなぁと感じながら
時間によって極端に明るさが変わる窓からの光には少し頭を悩ませた。
日当たりの変化を見ながら、同じカットでも日当たりのバランス良く
時間の中でレパートリーを狭めることで進めていき、予定のカットは撮り終えたが
こうなると後になって間に入れたい写真に悩むことがある。
とりあえずできることはやりきったとマンションを出ると、再び日差しが強く視界に差し込んだ。
「落ち込んでいる暇はないぞ!前を向け!」と声をかけられているようなはっきりとした光。松岡修造のような、あのエネルギッシュな光。
一歩一歩進むしかない、そんな気持ちが呼び起こされて、次のお部屋に向かう。
どうやらまだまだ僕には太陽が必要らしい。
住まい探しの時の日当たりの優先順位、みなさんは何番目くらいですか?