苦しかったら、助けを求めろ。
著:西 加奈子「夜が明ける」
「最近自業自得だとか、自己責任だとか言う言葉をよく聞くよねって。それはもちろん、もともと適切な言葉としての機能があったのかもしれないけど、最近は、大切な現実を見ないようにするための盾になってる気がするって。だからそんな盾はいらない、みんなもっと堂々と救いを求めてって。それで、自業自得とか、自己責任とか、そんな言葉は、その人が安心して暮らせるようになって、本当に、心から安心して暮らせるようになってから、初めて考えられるんだから、初めて負える責任なんだからって。」
最後、主人公に投げかけられるセリフ。
後半から一気にギアをかける物語の終わらせ方こそが西加奈子の真骨頂(と私は思ってる)。
同年代だからこその視点や空気感を感じるのが西加奈子の作品
久々の長編小説でしたが、出張のおかげで新幹線の中で一気に読めました。最近はビジネス書ばかりでしたが、物語の文字もいいものです。
また文庫で旅のお供に再読しよう。
「サラバ」もまた読もう。
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