ごみゼロの日にオフィスでできる取り組みを考える
本日、5月30日は、ごみゼロの日。
自分自身、使用済みプラスチックやLIMEX(ライメックス)を資源としてリサイクルする、という事業に関わっていますが、リサイクルはあくまでも”使い終わったもの”に対して行われるもの。焼却処分や埋め立てと比べると良く見える部分が多いですが、処置の手段としては最終手段に近いと言えます。
そして、”ごみゼロ”のためには、プラスチックやLIMEXのことだけ考えていてもダメ。
年に一回のせっかくの機会なので、”ごみゼロ”について考えてみました。(ゼロに向けての移行期に取るべきアクションも多く含めている点、ご理解ください。現実的に今できることにフォーカスして書きます。)
生活面での”ごみゼロ”のためのアクションは、色々なメディアなどで目にするので、オフィスでの取り組みに絞って、自分なりに纏めてみます。
【参考】ごみゼロの日についてはコメ兵さんの記事がわかりやすいと思いました。
オフィスで”ごみゼロ”に対応するときの課題
オフィスで”ごみゼロ”に対応しようとして、
「まったくごみを出さないぞ!おー!」
という目標を定めて社内に展開しても、ルールと意気込みと掛け声だけでは、形式だけになりかねません。。
一歩踏み出す時に思いつく課題感として、
(組織体が大きくなればなるほど)浸透、徹底するのが難しい
事業活動を停滞させてはいけない(生産性への悪影響がないように)
運用コストがかかる
社員にストレスがかかる
などがあると思います。
では、具体的にどのような対策をとれるか。
オフィスで”ごみゼロ”を推進していく際には、以下の5Rをベースに考えるのが比較的簡単なのではとおもいます。(以下1~5は、手段を羅列します。まとめ、は少し違う視点で書きます)
【参考】環境ダイアリーさんの記事ですが、25のRが書かれていて驚きました。
1. Rethink:本当に必要かどうか考える
オフィスで何か”モノ”を使う場面が全くない、という方はいないと思います。
「その資料をプリントアウトする必要があるか」
「その説明をするためにサンプルを手配する必要があるか」
「毎回新しい紙袋やクリアファイルを持参する必要があるか」
「そのオフィスの備品は捨てなければならないか」
「毎回飲み物を自販機で買わなきゃいけないか」
「使い終わったものはゴミ箱にいれればそれでいいのか」
・・・
挙げるとキリがないですが、無意識な行動を振り返り、本来の目的に立ち返ったときに、その”モノ”や行為が本当に必要なのか、そもそも論から考え直すことが最初に取るべきアクションだと感じます。
そして、そのように思考した結果として、以降の2~5の選択肢をとる、のが良いのではないかなと。
2. Refuse:発生源から断つ
資料はデータで受け取る
サンプルやノベルティは必要最低限もらう
マイバッグ持参してレジ袋をもらわない
コーヒーがブラック派ならガムシロ・ミルクは受け取らない
などなど。
受け取るものは最小限に。
これが一番手っ取り早いし、生産性の観点でもいいことが多そうです。
3. Reduce:使う量を減らす
使い終わったら要らなくなるモノを使うことをやめること、とも言えますが、たとえば以下。
資料の印刷をやめる
電子契約を使う
マイボトル、マイ箸、弁当箱を持参する
ボールペンや修正テープ等、”替え○○”で長く使えるものを使う
名刺はオンライン名刺にする(LIMEX名刺も使って欲しいところですが)
リユース容器を用いた社食サービスを使う
などなど。
会社としてのカラーが出せそうな取り組みが多い印象です。
【参考】地域限定ですが、リユース容器の例
4. Reuse:繰り返し使う・シェアする・次使う人につなぐ
不要な傘やハンガーを置き傘(シェア傘)やコート掛けに使う
使わなくなったクリアファイルはリユースする
ミスプリントの裏紙をメモ帳に使う
サンプル運搬等には、持ち出し用の繰り返し使える袋を使う
古着や古本はリユースに出す
前例がないとやりづらい、というオフィスもあるかもしれませんが、一歩踏み込めばできる内容です。
【参考】オフィスで取り組める古本の回収
5. Recycle:再資源化する
クリアファイルやコンタクトレンズケース等、特定のプラスチックを引き取ってくれる資源循環サービスを活用する
きちんとルールに従って分別する
先述の2~4で抑制できなかったものは、循環するように取り計らえるとよいのではないかと思います。
【参考】オフィスで使うプラスチックとLIMEXを資源循環するサービス
※ この部分だけ自社サービスPRです。失礼しました。
番外編① Refine:分別する
上に記載しましたが、リサイクルするには分別という行為が欠かせません。
一般的には単純焼却や埋め立ては環境負荷が高かったり、埋め立て場所が不足する等の問題から、オフィスでもできる限り分別をするのが良いです。
テナントの場合、管理会社との契約のため、一律で廃棄物処理費用を支払っているケースが多く、その場合は、分別がきちんとできていることでの処理費用の減額や、分別がおろそかであることに起因する追加請求、などがあることはごく稀。
金銭的なインセンティブが無いので、なかなか推進しづらい点もあるかと思いますが、管理会社や自治体のルールに従ってきちんと分けることで、適切に処理されます。また、どのようにリサイクルされるのか、までこだわる場合は、資源としてマテリアルリサイクルされるような配慮をできるとモアベターかもしれません。
【参考】僭越ながら、、、分別について以前書いた記事を貼付。
番外編② Rebuy:リサイクル品・リユース品を購入・利用する
オフィスで日々使用するモノを、新たに購入する際は、リサイクル素材を使用した商品を使う、ということも一つの選択肢です。
リサイクル素材を使った商品の流通が増える(需要が増える)、ということは、再資源化が活発になる(供給も増える)ことにつながります。コスト面の課題や、必ずしもバージン材でないといけないものもあると思いますが、次回のオフィス備品の購買時に、リサイクル素材を使った商品がないか、ぜひ確認してみてください。
まとめ
さまざま挙げましたが、
というのが自分なりの考えです。
なぜかというと、オフィスを構える”企業”は、それぞれの文化やパーパスに合わせて施策を実施していくべきだと考えるからです。
収益を創出しながら企業が長く社会に貢献し続けることが、企業活動での目標のひとつといえると思います。
そのためには、従業員に支持される組織体であること(エンゲージメント)、そしてそれ以外のステークホルダーにも支持される組織体であること(ブランド醸成)が欠かせません。
大手企業を中心にすでに多岐にわたる取り組みが進んでいますが、ごみゼロの日、という小さなきっかけを起点にして、今一歩小さなアクションでもよいので、さらに前進がいろいろなところで進んでいくことを心から願っています。