見て見ぬふり-2
先日、私はnote「見て見ぬふり」で、全盲の女性を助けなかったことを告白し、今度そのようなことがあったら、しっかりやるので、もう一度チャンスをくださいと天に祈った。
このような気持ちのまま、年を越すことはいやだなと思っていたら、それが天に通じたのか、「チャンス」がやってきた。
昨日、子ども食堂のボランティアに参加して帰ろうとしていたところ、会場の外で、利用者のお母さんが貧血で動けなくなっているのを見かけた。男の子と一緒だったが、その場で蹲っている。とても辛そうで涙を流していた。
男の子はお母さんを気遣って背中を撫でていたが、お母さんはとても立ち上がれそうもない。子ども食堂の仲間と一緒に、とりあえず暖かい会場に運び入れ介抱した。
子ども食堂に来るお母さん方の中には、自分の食事や栄養のことまで手が回らず体調を崩してしまう人が多いと聞いている。
暖かい飲み物と携帯カイロでしばらく体を温めたところ、なんとか立ち上がれるようになったが、これから子ども食堂で配布された大量の食品や雑貨を持って家まで帰らなければならない。
会場までは二人とも自転車に乗ってきており、さらにキャリーカートに重い荷物を積んでいる。
尋ねたところ、家は会場から5~6kmほどの先だということだった。
会場にいったん自転車と保存のきく配布物を預けてタクシーで帰るということも考えたが、会場は借りているところなので、そのような融通は利かないらしかった。
たまたまボランティア仲間で母子の近所に住んでいる女性がいて、一緒に歩いて送って行ってあげると申し出てくれたが、とても重い荷物と自転車を引きずって母子を送り届けることは困難だと思われた。
私は、「やったー!チャンスだ!」と天に感謝した。
お母さんに確認したら、なんとか自転車を引きずって歩くことはできるということだったので、私はキャリアケースを引きずって、ボランティアの彼女と母子を家まで送っていくことにした。
昨晩は東京地方にも雪が降ってとても寒かったので、途中お母さんの体調が心配だったが、なんとか母子のアパートまでたどり着いた。
会場を出てから家に着くまで2時間近くかかったが、以前私が住んでいた場所の近くを通ったので、懐かしかった。
男の子に「よかったね、これから暖かいものを食べてゆっくりしてね。」と言ったところ、「うん、今日はインスタントラーメンが食べられる。」と嬉しそうに話してくれた。……。
私は、子ども食堂で働いた後、寒い中長時間歩いたので、体はヘトヘトになったが、心は喜びでいっぱいになった。
やっとこの間の「借り」は返せた。年の暮れに人の役に立てて本当に良かった。「情けは人のためならず」だ。
さらに、この話には「おまけ」が付く。
私は、毎日万歩計を付けて1日の歩数を計測しているのだが、このところ寒い日が続いたので、目標歩数(1日1万歩)を達成できていなかった。
ところが、今回たまたま母子を送り届けた結果、昨日の歩数はなんと2万歩になった。
これで今日はグータラ過ごすことができるかな?