シロが教えてくれたこと
「#シロとの出会い」
「#シロとの生活」
「#子ねこ」
「#ねこを育てる」
3.シロのご飯
次の日から、シロにご飯をあげるのは私の担当になった。
私は本の中のねこしか知らなかったから、お母さんにお願いして一緒に調べてもらうことにした。
お母さんが、パソコンのキーボードを"生後2ヶ月のねこエサ"と慣れた感じで検索してくれた。
きっと、お母さんはもうすでに調べていてエサのこともトイレのしつけのこともわかっていたに違いない。
ただ、私がシロを育てる楽しみをたくさん経験できるようにしてくれたのだと思う。
検索した結果、たくさんの情報が出てきた。
私はまだひらがなを覚えている途中だったから、お母さんが声に出して読み上げてくれた。
そこには、こう書かれていた。
"2ヶ月を過ぎると普通食になるけれど、最初はドライ食を食べないこともある。その場合にはウェット食にしてあげるとよい"
お母さんにキャットフードを開けてもらい、お皿にエサをいれてみた。
エサの場所にシロを移動させようと、慣れない手つきで私がシロを抱いたものだから、シロは慌てふためいて少し足をバタバタさせた。
それでも、エサを見つけると、シロは戸惑うことなく食べ出した。
最初は座って見ていたが、シロの目線がとんな感じかを知りたかったし、その様子をずっと近くで見ていたかったから、フローリングの上に寝転んだ。
シロの顔をはんたいから見るのが初めてだからとてもおかしくて、おかしな顔さえ可愛くてずっ〜と見とれてしまった。
お母さんから、
「そんなに見られていたらシロは落ちついてご飯食べられないよ。シロはまだ子ねこだからご飯食べないと大きくなれないのよ。」
私は、お母さんの言葉をきいて、
「シロが子ねこのままの方がかわいいけど、やっぱり大きくなってほしいなぁ。」
と思った。
「あと、みさちゃんのお顔だってひっかれることもあるのよ。」
私は慌てて起き上がった。
私もうまく話せないから自分の気持ちが伝わらなくて悲しいことたくさんあったけど、シロだって鳴くことはできても、話せないからおんなじだ。
嫌なことだったら、ひっかいて嫌だ!!って私に伝えようとするかもしれない。
なんだか、シロと似ていることを見つけたらますます愛おしくなった。
シロが食べている間は、遠くから見守ることに決めた。
お水はいつでも飲めるようにしなくてはいけないけれど、あまり時間が経つとよくないと書いてあったから、シロが食べている間に別の器に水を用意して、シロがご飯を食べ終わって水を飲み終えたら、器ごと水を取り替えることにした。
あれほど、外を眺めるのが嫌だったのに、今日は外を眺めながらそっと空に視線を向けることができた。
なんてステキな空の色。
久しぶりに穏やかな気持ちになれたような…
私は大きく深呼吸をした。
「シロ、家族になってくれてありがとう。」
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