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シュタイナー教育のギモン。⑥

ルドルフ・シュタイナー著 新田義之訳 『教育の基礎となる一般人間学』を読んでいます。

現在第一日目講義、第十三段落まで↓


第十四段落要約

三層構造をなす物質的人間組織の中で、私たちはまず新陳代謝をかぞえる。
呼吸には新陳代謝と密接な面があり、それは血液循環と関連するものだ。血液循環は摂取された物質を人間の肉体の内部に運び込むものであるから、全新陳代謝組織と関連しているのだ。

第十五段落要約

呼吸はまた、神経感覚組織とも関連している。
私たちは息を吸い込むことによって、たえず脳水を脳の中へ圧力をもって送り込み、息を吐きだすことにより、これを体内へ吸い戻している。こうして呼吸のリズムを脳へ伝達しているのである。
このように呼吸は一方で新陳代謝と、他方で神経・感覚組織と関係している。呼吸は幼い人間と物質界との最も大切な仲介者であると言えるのだ。しかし同時に、子どもにおいては、呼吸が生命を維持するために必要な程度まで完全ではなく、その仲介が出来上がっていないという事実も認識しておかねばならない。



十四段落の「まず新陳代謝を数える」という文章は脈絡がない。
肉体の三層構造は新陳代謝・?・?という三点であるという旨の記載が今後出てくるのだろうか。十三段落のおわりに人間の持つ三層構造つまりは~、という文章が省略されていると読み解くべきにも考えられる。

第十五段落では、「脳」と「体内」という分割を行ったうえで論理を展開しているようだ。「脳水」にはドイツ語が付されておらず、生理学用語としてあるものではないため、科学的に言うどの現象を指しているのか断定はできない。
しかし意識的な呼吸が自律神経に影響を与えるというのは良く知られている事実である。類するものであると考えるのが自然だろうか。

この十四・十五段落はたいへん読解が難しかったため、補足として引用したいと思う。

 三層構造をなす物質的人間組織の中で、私たちはまず新陳代謝をかぞえますが、新陳代謝は、その一方の端において、呼吸と密接に結び合っております。呼吸仮定は新陳代謝の観点からいって、血液循環に関連しております。(中略)
 もう一方の端において、呼吸はまた、人間の神経感覚組織とも関連しています。(中略)つまり「呼吸は、物質界に入りかけている幼い人間と物質界との、最も大切な仲介者である」と言えましょう。

この記述では新陳代謝の一方の端において、と読むのが一見した時点での感想だが、後述において人間を「新陳代謝・呼吸・神経感覚」の三分類にしているとみられることからこのような要約に落ち着いた。
また、この人間の分割は子どもだけに当てはまるものではないはずだ。"霊心"が物質界に受肉するにあたって呼吸が特別どんな役割を果たすのかという記述がなくいささか理解の範疇を超える。

若干順番に疑問を覚える部分があるが、講義記録という性質上いたしかたないところであろうか。

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