シュタイナー教育と心理学④
ルドルフ・シュタイナー著 新田義之訳 『教育の基礎となる一般人間学』を読んでいます。
第2日目、第四段落目まで↓
第五段落要約
次に、意志というものについて考える。
意志は心理学者にとって悩みの種である。心理学者には非常に現実的実体的なものに見えるのに、普通の意味での実態を全く持っていないからである。彼らが意志に与えている内容は、どれも表象を基にして作られている。
意志とは、「私たちの死後に私たちの中で心霊的実在(geistig-seelische Realität)と化するものが、種子の形ですでに私たちに備わっている」その種子のことである。
人間の地上の生は死をもって終わっているが、意志は、死の線を越えて先に進んでいる。
第六段落要約
(私たちの誕生から死を線としたうえで)一方の側として表象があって、誕生前の生の映像と考えるべきものである。もう一方の側には意志があって、未来の生にとっての種子と考えるべきものである。また種子は現実的存在の未来に属するものであり、映像とは現実的存在の過去に属するものである。
種子とは後になって初めて現存在となるものであるから、未来の現実を素質として内に蔵している。
ゆえに意志とは非常に精神的(霊的)な性質のものである。
これはショーペンハウアーも予感していた。
アルトゥル・ショーペンハウアーはドイツの哲学者である。
カントの「現象」を「表象」、「物自体」を「意志」と呼び変え、世界には「盲目的な生存意志」が働いているのだと考えた。
前回の"表象"の対極に"意志"があるのだという。
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