サイゼリヤ直結のホテル MIMARU に学ぶ、アウトソースの成功法則
今回のテーマは 「アウトソース」 です。
アウトソースではどの業務を他社に任せ、どの業務は自社で行うべきなのでしょうか?
あるユニークなホテルの事例から、アウトソーシングの意義、依頼する判断の決め手を解説します。アウトソースを有効活用する方法をぜひ一緒に探っていきましょう。
サイゼリヤが直結するホテル MIMARU
ご紹介したいのは、ホテルからイタリアンレストランのサイゼリヤが直結している MIMARU (みまる) というホテルです。
以下は関連記事からの引用です。
サイゼリヤを直結させた狙いはどこにあるのでしょうか?
先ほどの関連記事から引用します。
学べること
では今回の事例から、学べることを掘り下げていきましょう。
サイゼリヤが直結するホテル 「MIMARU」 は、アウトソースという視点で学びが得られます。
アウトソースの意義
アウトソースとは、企業が業務プロセスの一部または全部を他の専門的な企業や個人に依頼することです。
アウトソースする狙いは大きく分けると2つあります。そもそも自分たちにはできないことをやってもらう、あるいは、自分たちにもできるが他社のほうが良くできるからです。
もう少し解像度を上げると以下の通りです。
✓ アウトソースから期待できること
自分にはできないことを対応してもらう
自分でもできるが、アウトソースすれば自分の時間ができ、他のことに使える
自分でもできるが、アウトソースのほうが早く、安く済む (自分の人件費や経費に比べるとアウトソースしたほうが安い)
自分でもできるが、アウトソースしたほうが品質の良いものができる
自分でもできるが、アウトソースの相手のほうが多様な方法を持っており、柔軟な対応をしてくれる
アウトソースをする判断基準
アウトソースを決断するとは、長い目で見れば、依頼する領域での自社の能力について 「失っても問題ない」 という判断をすることを意味します。
これはつまり、逆に捉えれば以下に関してはアウトソースを控えるべきなのです。
✓ アウトソースをしてはいけないこと
自分たちのコア領域 (専門性や強みになっていること)
今は上手くできなくても、これから注力すべきこと
人から感謝され、信頼蓄積につながるもの
これらのいずれかが当てはまる場合、アウトソースをすれば一時的に楽になるかもしれませんが、中長期で見れば自分たちのビジネスやキャリアの根幹が揺らぎかねません。
トレードオフの視点
アウトソースはトレードオフの問題でもあります。何かをやらない代わりに自分は別のことができるという視点から、何をアウトソースをするかを決めることが重要です。
アウトソースを決断する前に問いかけるべきなのは、「やらないことによって得られるもの、失うものは何か」 という点です。目の前の短期的な時間軸ではなく、長い目でアウトソースによるトレードオフを考えるべきです。
MIMARU がサイゼへのアウトソースで期待できること
ではここまでの話を、「MIMARU 東京 STATION EAST」 の事例に当てはめてみましょう。
大手ファミレスチェーン 「サイゼリヤ」 がホテルから直結している MIMARU は、自社で飲食部門を運営することなくお客さんに飲食サービスを提供しています。
飲食提供の業務をサイゼリヤにアウトソースすることで、MIMARU はそれ以外の業務に注力することができます。単なるコスト削減だけでなく、ホテルの品質向上やお客さんへのサービス強化にもつながります。
アウトソースによって MIMARU が期待できることとして、
自分でもできるが、アウトソースすれば自分の時間が節約され、他のことに使える
自分でもできるが、アウトソースのほうが早く、安く済む
自分でもできるが、アウトソースの相手のほうが多様な方法を持っており、柔軟な対応をしてくれる
が当てはまります。
アウトソースをしない領域
とはいえ、アウトソースを行う際には長い目で見て失っても問題ないかどうか、自社のビジネス活動の根幹に関わるかどうかを考慮しなければなりません。
アウトソースをしてはいけないのは以下の3つでした。
自分たちのコア領域 (専門性や強みになっていること)
今は上手くできなくても、これから注力すべきこと
人から感謝され、信頼蓄積につながるもの
MIMARU が宿泊客への飲食サービスをサイゼリヤにアウトソースしたことで、その代わりに注力したいことは以下が考えられます。
自分たちのコア領域
快適な宿泊環境の提供。アウトソースによって時間とリソースが生まれ、より高品質な宿泊特化型サービスを提供するための施設管理やサービス改善に集中できる今は上手くできなくても、これから注力すべきこと
市場環境の変化やお客さんからの声・フィードバックをもとに、新たなサービスやアメニティを提供するなど、これからの成長や競争力向上につながる取り組みに注力する人から感謝され、信頼蓄積につながるもの
宿泊者の滞在中のサポートやお客さんから問い合わせへの対応など、顧客満足度向上とリピート利用を促す施策に力を注ぐ
以上のように、飲食サービスをアウトソースすることで MIMARU は自分たちのやるべきことに集中し、お客さんに価値を提供できるのです。
まとめ
今回はサイゼリヤが直結しているホテル MIMARU を取り上げ、学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ アウトソースから期待できること
自分にはできないことを対応してもらう
自分でもできるが、アウトソースすれば自分の時間ができ、他のことに使える
自分でもできるが、アウトソースのほうが早く、安く済む (自分の人件費や経費に比べるとアウトソースしたほうが安い)
自分でもできるが、アウトソースしたほうが品質の良いものができる
自分でもできるが、アウトソースの相手のほうが多様な方法を持っており、柔軟な対応をしてくれる
✓ アウトソースをしてはいけないこと
自分たちのコア領域 (専門性や強みになっていること)
今は上手くできなくても、これから注力すべきこと
人から感謝され、信頼蓄積につながるもの