3つの目を使った顧客インタビューの方法
今回はマーケティングリサーチについてです。
顧客や消費者インタビューを取り上げます。
この記事わかること
・「3つの目」 が意味すること
・顧客インタビューでの3つの目を使う方法
・具体的なインタビュー例
・自由自在に切り替えるために
この記事で書いているのはインタビューについてです。「3つの目」 を使い、効果的なインタビュー方法をご紹介しています。
ぜひ最後まで読んでいただき、お仕事での参考になればうれしいです。
3つの目
視座や視点を切り替えるたとえで、「虫の目」 「鳥の目」 「魚の目」 があります。
3つの目は、どのような意味でしょうか?
虫の目
・地面に近く細かいところを見る虫の視点
・虫眼鏡でズームインをするイメージ
・より具体的に解像度を高く見ていく
鳥の目
・上空高くから広くフィールド全体を見渡す
・細かいところよりも全体像を俯瞰する
魚の目
・水の流れを見る
・変化、時間の流れやトレンドをつかむ
3つの目は、どれかが唯一絶対的に正しいわけではありません。状況に応じて使い分けます。
視座の高さと低さ、視野の広さ、視点の切り替えです。
* * *
ではビジネスでの具体的な利用方法を見てみましょう。
顧客インタビューでの3つの目を使う方法
顧客や消費者のインタビューでは、聞き手であるインタビュアーは3つの目を意識して使い分けるといいです。
具体的には以下のようになります。
具体を掘り下げる [虫の目]
・実際の事例を聞く
・奥にある構造的な要因 (真因) を掘り下げる
・曖昧な説明や表現の解像度を高める
抽象度を上げる [鳥の目]
・全体像の俯瞰に話を戻す (例: MECE の全体へ)
・「要するにどういうことか」 を一言でまとめる (例: インタビュー対象者の発言を整理する)
・掘り下げていた具体を止め、違う論点や仮説に話題を変える
変化やトレンドを見る [魚の目]
・他のものと比較する (例: 現在状況と過去を比べる)
・プロセスに沿って流れや順番を整理する
・未来から現在に逆算して整理する
では、インタビューで3つの目を使う例をご紹介します。
具体的なインタビュー例
外資系コンサルに学ぶ聞き方の教科書 という本に、3つの目を使い分ける例がありました。
著者が関わったコンサルティング案件で、インタビュースキルの高いコンサルタントがどのように3つの目で話を訊いたかの例が書かれています。
的確な質問で情報を引き出せたので、解決策提案後にクライアントが 「この短期間でここまで当社の事情を理解し提案をしたコンサルティング会社はいない」 と語ったとのことです。
以下は本書からの引用です。
相手 「やっぱり値段が高いから競争優位性がないと思います」
自分 「具体的にどんなことからそう思いますか? (虫の目) 」
相手 「お客様は最初から A 社の商品を指名買いするんですよ」
自分 「指名買いの理由は具体的には何が多いのですか? (虫の目) 」
相手 「子供に優しいとか安全だとか、女性に使いやすいという理由のようです」
自分 「一言で言うとターゲット層への訴求が功を奏しているということでしょうか? (鳥の目) 」
相手 「そうですね」
自分 「要するに、プロモーションの問題という理解でよろしいでしょうか? (鳥の目) 」
相手 「価格というよりは、プロモーションかもしれませんね」
自分 「こういった問題はこれまでもよくあることですか?最近のことですか? (魚の目) 」
相手 「弊社では長年△△という方針があって……」
自分 「なるほど、今後もその方針は踏襲されるのでしょうか? (魚の目) 」
(引用: 外資系コンサルに学ぶ聞き方の教科書)
自由自在に切り替えるために
今回の話はマーケティングリサーチでの顧客や消費者インタビューでした。3つの目の切り替えはビジネスでのコミュニケーションで汎用的に活かせます。
3つの目を自由自在に切り替えるためには、次のような意識を持っておくと良いです。
自由自在に切り替えるために
・自分は今、何の目で見ているか?
・相手はどの目で話をしてくれているか?
・次はどの目に切り替えるといいか?
まとめ
今回は 「3つの目」 についてでした。
最後にまとめです。
3つの目
・虫の目: 虫眼鏡でズームインをするように解像度を高く見る
・鳥の目: フィールド全体を見渡すように全体像を俯瞰する
・魚の目: 水の流れを見るように変化や時間の流れ・トレンドをつかむ
顧客インタビューでの3つの目を使う方法
・具体を掘り下げる [虫の目]
・抽象度を上げる [鳥の目]
・プロセスや変化, トレンドを見る [魚の目]
3つの目を自由自在に切り替えるために意識する問い
・自分は今、何の目で見ているか?
・相手はどの目で話をしてくれているか?
・次はどの目に切り替えるといいか?