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仕事の実務から成長する 「人材育成の方針」 (職務設計の中核的五次元をヒントに)
今回は、キャリアについてです。
この記事でわかること
・人を育成する仕事
・人材育成の方針
・モチベーションを高める5つのポイント
この記事でわかるのは、人材育成です。
仕事でのキャリアのつくり方を、若手の成長をどうサポートするかを例にご紹介しています。
記事で取り上げているモチベーションを高める5つのポイントは、汎用的なもので覚えておいて損はないフレームです。
ぜひ記事を最後まで読んでいただき、お仕事やキャリアへの参考にしてみてください。
人材育成の仕事
私は現在フリーランスです (2020年10月) 。主な仕事は複数の企業への経営や事業の支援をしています。戦略の立案と実行、現場に入りマーケティングやプロダクト開発、プロジェクトマネジメントもあります。
相談を受けることの1つに、人材育成があります。マーケターやマーケティングリサーチャーとしての成長をサポートしてほしいという依頼です。
人材育成の方針
このような依頼で相手に確認をすることがあります。
座学から教えることを想定しているのか、それとも実務を通しての育成なのかです。
というのは、人が成長するのは、仕事の実務からだと思っているからです。
もし座学オンリーであれば、実践の場までサポートできるかを相手に聞きます。なければ、育成へのコミットが十分にできないのでお断りすることもあります。
ベースにある考え方は、「 "知っている" と "やれる" は違う」 です。
座学では 「知っている」 を増やすことはできます。しかし、「やれる」 を1つでも多く獲得するためには、実務での体験が不可欠です。
では人材育成には、具体的にどういう機会をつくるといいのでしょうか?
2つのモチベーション
皆さんは、モチベーション (動機づけ) には2種類があることをご存知でしょうか?
内発的動機づけと外発的動機づけです。
内発的動機づけとは、自分の内側から生まれるモチベーションです。人に言われなくても自ら進んでやれます。例えば、子どもの勉強であれば、自分から机に向かって勉強をしたいと思えるのが内発的動機づけです。
一方、外発的動機づけとは、先生や親に言われて、あるいは勉強をしてテストや成績が良くなればお小遣いが増えるからという動機です。
内側からのモチベーションを高める方法
「職務設計の中核的五次元」 という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
仕事での内発的動機づけを高める5つの要素です。
職務設計の中核的五次元
・様々な自分のスキルを活かせる
・仕事の全部に携われる (一部の歯車ではない)
・仕事に意義を感じる
・裁量権がある
・フィードバックがある
この5つには人材育成のヒントがあります。
仕事で人が成長するために、どのような実践の場を提供するかです。
職務設計の中核的五次元からの 「実務設計」
では、中核的五次元の5つから順番に見ていきましょう。
[実務設計 1] スキルを活かす
もともと持っているスキルや特性を活かした機会です。あるいは、これから伸ばそうとする専門性に、本当につながる機会かどうかをまずは確認します。
ここには、本人の意向も理解し、やりたい気持ちに沿った実務かも考慮します。
[実務設計 2] 一部ではなく全体
小さくてもよいので、全体のかたまりに取り組める機会を用意します。
一部分の歯車ではなく、その仕事のオーナーは自分だという意識を持てる仕事です。
大きい案件の一部よりも、小さい案件の全体です。ちなみにこの考え方は、マーケティングで市場の大きいところよりも、ニッチな市場でシェアを多く取りにいく考え方と似ています。
[実務設計 3] 仕事への意義
単純な作業のやらされではなく、仕事への意味合いや意義を持った実務にすることが大事です。
仕事への意義は、なるべく自分自身で考え気づくようにしてあげます。1から10までの全てを教えるのではなく、対話や質問、実務を通して自分で意義を見い出せるようにです。
[実務設計 4] 裁量権
4つ目のポイントは、仕事への裁量権です。
任せるところは任せ、細かい部分までをこちらがマネジメントしすぎないように注意します。
目的や目標、スケジュール感をすり合わせたら、具体的の進め方とやり方は本人に任せます。
[実務設計 5] フィードバック
ただし任せはしますが、フォローはします。放置せずに、タイミングを見てフィードバックをします。
フィードバックの回数は、案件が終わってまとめてよりも、短い時間でもいいので回数を重ねるほうがいいです。本人もフィードバック者も記憶が鮮明なうちにです。
具体を抽象化する
ここまで、職務設計の中核的五次元から、どのように実務の機会を与えるかを見てきました。
人材育成でもう1つ、意識したいと思っていることがあります。
それは、「具体と抽象」 です。
実務からの体験や経験という具体を、一般化して抽象レベルを上げておき、頭の中の引き出しにしまうようにするのです。
具体を抽象化するとは、キーワードでラベルを貼るイメージです。
頭の中の引き出しを増やし、状況に応じて適切な引き出しを選べることを目指します。
具体的には、フィードバックや振り返りを通してやります。体験を体験のままで終わらせず、総括をします。この時に、自分のやったこと、得た経験やスキルを人に説明ができるようにします。暗黙知から形式知への転換です。
教えることは、教える本人にとって何よりの学びになるので、お互いに教え合うのが効果的です。
まとめ
今回は、人材育成についてでした。
いかがだったでしょうか?
人材育成に関わる時、ご自身のキャリアをどうつくっていくかの参考になればうれしいです。
最後に今回の記事のまとめです。
人材育成の方針は、実践を通して人は育つ。「知っている」 と 「やれる」 は違う。座学では 「知っている」 を増やすことはできるが、「やれる」 を1つでも多く獲得するためには実務での体験が不可欠。
どんな実践の場を提供するかのヒントに 「職務設計の中核的五次元」 がある。
・様々な自分のスキルを活かせる
・仕事の全部に携われる (一部の歯車ではない)
・仕事に意義を感じる
・裁量権がある
・フィードバックがある
実務からの体験や経験という具体を、一般化して抽象レベルを上げる。頭の中の引き出しを増やし、状況に応じて適切な引き出しを選べることを目指す。