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競合の追随ではなく顧客価値を重視せよ!アサヒ 「マルエフ」 の成功事例
マーケティング戦略が、単に競合に追随をしている状態になっていませんか?
お客さんに向き合うことが見過ごされていないでしょうか?
今回は、アサヒビールの事例から、お客さん目線になってビジネスを成功させるヒントをぜひ一緒に探っていきましょう。
競合の追随と顧客価値
![](https://assets.st-note.com/img/1690600520829-xIyap3mDXK.png)
アサヒビールの松山一雄社長へのインタビューで、社長はマルエフについて次のように答えていました。
以下はインタビュー記事からの引用です。
――マルエフも大ヒットしました。なぜ今、復活させたのですか。
「マルエフはスーパードライ発売前は本流で、これまで業務用として愛され続けてきました。復活のきっかけはコロナ禍で成長戦略が狂ったことです。東京五輪が延期、無観客になり、五輪で勢いをつけて、ビール減税でさらにユーザーを拡大するという成長モデルが消えました」
「このとき他社は糖質ゼロのビールをヒットさせ、社内からはなぜやらないのか、と迫られました。でも、追随することの顧客価値は何か。スーパードライ一本足から脱却するには、もう一つ骨太なブランドが必要です。新ブランドも考えましたが、こんなに素晴らしいブランドを生かさない手はない。実は私、入社前からアサヒ生の大ファンでした。現代にアップデートして新しい価値としてブランディングできないかと考えました」
「情緒的な価値でいえば、スーパードライは刺激的でエッジがきいています。マルエフはその対極の癒やし系。ゆっくりと大切な人との時間を過ごすときに飲んでもらいたいと」
学べること
アサヒビールの事例からは、誰を向いてビジネスをするかに学びが得られます。
誰を向いてビジネスをするか
アサヒビールの松山社長は、他社が糖質ゼロのビールをヒットさせていた状況で、社内からはなぜやらないのかと迫られました。
競合他社の表面的な模倣になってしまうことに注意が必要です。なぜなら、そこには顧客不在だからです。お客さんではなく競合を向いてビジネスをしてしまっている状態なのです。競合と同様の商品を出すことは自社の都合にすぎません。
松山社長は一歩立ち止まり、「追随することの顧客価値は何か」 を考えました。見出したのは既存ブランドの 「マルエフ」 で、現代にアップデートして新しい価値としてブランディングする道を選んだのです。
背景には、競合他社の模倣ではなく、お客さんに新たな価値を提供することを重視したいという考え方がありました。すでに市場に他社商品があるのに単に同じ商品を後追いで出すことによって、お客さんへの付加価値はあるのか。この視点が大事です。
「本当にお客さんのためか」
この事例から学べるのは、競合他社の単なるマネにならず、お客さんのニーズや価値観を考慮した戦略を立てることの重要性です。
学びを一般化すると、マーケティングの意思決定をするときに 「本当にお客さんのためか」 を入れることが大事です。お客さん目線になることは忘れてはいけません。
自分たちのお客さんは誰か
お客さんが抱える問題や課題感、ニーズや顧客インサイトは何か
商品やサービスがお客さんにもたらす本質的な価値は何か
こうしたお客さん目線になってビジネスを展開していくことが、マーケティングにおいて大切なのです。
まとめ
今回はアサヒビールの事例を取り上げ、マーケティングに学べることを見てきました。
最後に学びのポイントをまとめておきます。
✓ お客さん目線での意思決定と実行
競合と同様の商品を出すことは会社の都合であり、すでに市場に他社商品がある場合、お客さんへの付加価値を考慮することが重要
競合他社の表面的なマネではなく、お客さんのニーズや顧客インサイト、価値観を考慮した商品開発やマーケティングをする
マーケティングの意思決定において、「本当にお客さんのためか」 に立ち返り、お客さん目線でビジネス展開をしよう