クリエイターの魂が帯びる作品
こちらはラジオ「長澤翼のとなりの席」でお話した内容です。音声の方がご都合良い場合は下記よりご視聴ください↓
■JUNK HEADというそクリエイターの意思が帯びる作品
最近妻と夜中に2021年に公開されたJUNK HEADという映画を観ました。皆さんみたことありますか?
この作品は凄かった。この一言に尽きます。
1時間40分程の映画なんですが、ストップモーションによる映画です。ストップモーションを今更説明する必要はないかと思いますが、人形など静止した物体を1コマずつ動かしながら撮影をし、その静止画を連結させて動画にする制作方法です。
JUNK HEADは堀貴秀監督が7年という期間をかけて制作した長編アニメーションで、原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果のすべてを1人で制作されました。なんとコマ数は14万ということで、しかも堀監督は独学らしいんです。
どんな物語かというと、環境の破壊が進んだ地上は人間が住めないほど汚染されておりました。人類は地下に可能性を見出すための労働力として人口生命体である「マリガン」を作りますが、マリガンは自我に目覚め反旗を翻します。それからさらに1600年後、人類は遺伝子操作によりほぼ不老不死の状態を手にいれました。しかしその代償として、生殖機能を失いました。寿命によってしぬくことはないが、生殖機能がないので増えることはできません。しかしマリガンは生殖機能があるため、地下調査へ人類存続を希望に地価調査へ名乗り出た一人の人間を中心に展開される物語です。
ただ、今回お話をしたいのはジャンクヘッドの作品の感想ではなく、監督の凄さが見透かせる作品であるこということです。凄さというのは曖昧な言葉ですので、作品にかける魂と言い換えてもいいかもしれません。
作りたいものを作るという圧倒的な偏愛が作品を通じてしっかり伝わってきます。
7年という歳月をほぼ1人で、しかもストップモーションの14万コマを独学で作るというのはもう正気の沙汰ではありません。しかし人はその異常な次元に興味を持ち、そして感動をします。エンディングでは制作過程のタイムラプスが流れるのですが、大掛かりなセットに一人黙々制作をする監督の姿はそれすらも作品の延長線上の光景に感じます。絶対にとは言えませんが、クリエイターの偏愛と迫力を感じられる作品だと僕は思います。
映画を観ている間は終始語彙力のない感想で、凄い凄いというのをただ連呼しておりました。僕も作品を作る人間の一人なので、こういうものに敏感なのかもしれませんが、非常に背すじが伸びました。やりたいことを本気でやるという本質を魅せてくれた作品です。もし制作する側の人であれば、一度見た方がいいかもしれません。
※長澤翼の偏愛の塊はこちら↓
作品を作るとはどういうことか?
拘るというのはどういうことか?
届けるとはどういうことか?
といった大切なことを教えてくれます。これをもしかすると人は努力とか熱意と言うのかもしれませんが、堀監督のエンディング姿から得た印象は、面白くて仕方がないという印象でした。どうしても人はその人の異次元さや凄さを伝えたくなるのかもしれませんが、見落としてはいけないのが好きな事をただしているだけということの本質性です。今あらゆるツールは揃っております。あとはやるかやらないかだけという訳です。堀さんのような社会的な評価を受けることはごく一部の話かもしれませんが、やりたい事をする環境は自分で作れますし、そしてその姿に応援したいと思う人がいるというのも事実です。
栄光を手にしたい!
莫大な富を手にしたい!ということが目的でなければ、やりたいことを100%振り切ってみるといいのかもしれません。ということなので、僕は改めて自分の事業である一文字アートは徹底的に拘り、偏愛と言われるまでの表現をしていきます。