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匠大塚が急に消えた理由
2019年までちょこちょこ電車で広告を見た匠大塚。ここ数年は広告を見ない。おそらくビジネスモデルが破綻していたのだろう。
2000年代に大塚家具は会員制モデルでの販売をしていたが、そのビジネスモデルは頭打ちに。追い出された創業者が設立した匠大塚はそのモデルを再現し店舗展開は拡大。しかし非上場企業であるため財務状況はわからない。あの男は利益追求や財務的健全性、ガバナンスに無頓着な人間であること(だから社外取締役は彼を追放することを決心したのだが)を考えれば多少ムリをしても出店しそうだ。少なくとも2018年以降は閉店と出店が同時進行していたのは事実だ。
そもそも会員制で接客スタッフがコバンザメのようについてくる家具屋に行きたい人はいるのだろうか?中高年は知らないが、裕福な若い世代であれば、ハーマンミラーのような超高級ブランドを実店舗やリサイクルショップで購入するだろうし、少なくともそのうような会員制と接客スタイルは苛立たせる要因になるだろう。伝統があるブランドと言ってもヨーロッパの高級家具ブランドと比べたら何もないわけで、どうしてもそのスタイルは若い世代の支持を得ないのだろう。そもそも家具を一箇所でトータルコーディネートするスタイル自体も昔ほどじゃない以上、やはり限界があるビジネスモデルだし、そんな砂上の楼閣は思ったより持続しなかったのだろう。