Undefeated閉店ラッシュ、その理由は?
Undefeated。2002年の9月11日に「9.11に屈しない」という意味の店名を掲げてロサンゼルスにオープンしたセレクトショップは日本にも数多くの店舗を構えている。昨年には京都、大阪、札幌の店舗が閉店したが、今年に入ってからは博多、名古屋栄、静岡、広島、仙台の店舗が閉店。いったい何が起こったのだろうか?
僕はよくナイキのスニーカーやニューエラのキャップを購入する若い世代だ。つまりUndefeatedの取り扱う商品をよく買っているということになるが、僕は基本的に公式オンラインストアかAmazonのような総合型のECサービス、あるいはブランドの路面店で購入するようにしている。公式オンラインストアなら会員は送料無料だし、本物であることが確定しているから基本的にオンラインで買うなら僕は公式オンラインストアや公式アプリを利用することが多い。数千円クラスの安い商品なら偽物でもまあいいかな、そう思えるからプライム会員は送料が無料なAmazonで購入することもある。一方、Undefeatedは送料が550円もする。偽物である可能性はさすがにないだろうがわざわざUndefeatedのオンラインストアを利用するメリットはない。もちろんUndefeatedオリジナルアイテムを購入するにはUndefeatedを利用するしかないが、そもそもそのオリジナルアイテム自体多くない。結局のところ、僕みたいな人間にとってはわざわざUndefeatedを利用する理由がないのだ。
もちろん、僕は柏市に住んでいるから路面店は半径数十キロ圏内のいたるところにある。しかし地方在住者にとってはそうではなかった、そういう時代があった。しかし各ブランドのオンラインストアへの投資や路面店の展開拡大により多くの地方都市在住者がブランドにダイレクトにアクセス可能になった。つまり、Undefeatedのようなセレクトショップを利用するメリットがないのだ。
そもそも昔よりも今はブランド自体に力がある時代だ。特にこれは若い世代で顕著であるという分析をする専門家もいる。つまりUndefeatedが従来ターゲットにしていた世代にとって、そのようなセレクトショップで購入すること自体クールでなくなりつつあるのだ。そういう価値観の変化も閉店を後押ししたのだろう。
そしてUndefeatedは日本で閉店ラッシュだが、おそらくアメリカ本国でも苦しい状況であろう。アメリカの若い世代は日本の同世代よりも、ブランドの路面店やオンラインストアで購入する傾向がある。そしてUndefeatedという店名が9.11に屈しないという愛国主義的な価値観を反映している以上、今の若い世代、多くは民主党の左派ポピュリスト支持者である、がこんなふざけた名前の店に行くことはないだろう。