【中学受験】溶解度計算のパターン化
化学計算の3回目です。
溶解度とは水100gに溶ける物質の量のことです。
従って、飽和水溶液に溶けている物質の量は
水の量/100g ×溶解度
で求められます。
内容はこれしかないはずなのですが、難易度の高い問題が数多く存在します。
算数の速さの問題でも公式は1つしかないのに応用問題が作れるのと同じでしょう。
解き方のポイント
個人的にはパターン認識として教えています。
自分が考えているのは3パターンです。
・始めの水の量がわかっている時
・飽和水溶液の全体の量がわかっている時
→解法 始めの水の量を100○とおく
・水溶液の濃さと全体の量がわかっている時
→解法 全体の量を100○とおく
その他に考えられるのは硫酸銅水和物の問題ですが、前記事の消去算なので例外として省略します。
大問に硫酸銅、ミョウバンなどが出てきていれば一目瞭然なので気づくでしょう。
始めの水の量がわかっている時
水の量が判明しているならば、先程書いた公式通り求めれば良いでしょう。
水の量/100g ×溶解度
水の量を100で割っている理由は、溶解度の定義が水100gあたりなので、1gあたりに直してあげる必要があるからですね。
飽和水溶液の全体の量がわかっている時
先程と同じように解こうにも水の量が分からないので解けませんね。
そういう時は取り敢えず水を100○と置きましょう。
算数でいう分からないものがあった時は❶とおくのと同じです。
水を100○とおくと飽和水溶液に溶けている物質の量はそのまま溶解度○になります。
飽和水溶液の量は「水+物質」
100+溶解度 ○として導出できそうです。
結果的に水の量がわかるのでそうすれば公式が使え困ることはないでしょう。
水溶液の濃さと全体の量がわかっている時
やはり水の量がわかりません。
しかし、今回は濃度がわかっている。
濃度=物質/水溶液
なので水溶液の重さを100○と置きます。
そうすることで、物質の量が濃度になる。
例えば20%の水溶液ならば
100○の水溶液に対して物質の量が20○水の量が80○になります。
まとめ
このように何がわかっているかによって○を置く位置が異なります。もちろん算数的には異なる位置に○をおいても解けますが、数字が汚くなります。
教える際はパターン認識として、この場合はこの位置に○を置くと教えた方が短い理科の受信の中で教えるには都合が良いのではないでしょうか。
パターン化というのは考える力は育たないですが、溶解度に対して触れている先生をあまりお見かけしたことがないので記事にしてみました。
問題
おまけ湿度
湿度=水蒸気の量/飽和水蒸気量
この公式が有名ですが、溶けている水蒸気の量(空気に水が溶けている)は
飽和水蒸気量×湿度
と考えましょう。
正直これの方が使いやすい気がします。
空気の量が1立法メートルでない時は空気の量をかけ忘れないようにしてください。