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労働時間を短くすれば、人生が豊かになるって本気で思ってる?

数年前、日本全国で働き方改革が始まりました。ずいぶんと働く環境が良くなったと思います。自ら命を絶ってしまうほど過酷な長時間労働、労働者にまったくメリットがないサービス残業、一部の層が不当に利益を得る不合理な待遇差。こうしたものが、数年前に比べて減ったそうです。

しかし、働き方改革を盲目的に推し進めるのも、どうかと思うことがあります。あまりにもやりすぎると、それは「働き方改革」ではなく、「働かない改革」になってしまいそうです。。。

僕の後輩にこんな社員がいました。毎日始業時間の1,2分前に出社します。ひどい時は通勤中にスマホで打刻して数分の遅刻を隠蔽していました。そして定時の10〜15分後にはさっさと退勤してしまうのです。

最初は僕は彼の仕事ぶりを知らなかったので、とてもデキるやつだと感心していました。弊社の労働規則も年々変わっており、毎年のように残業を減らすようにお達しがきます。そんななか、率先して効率よく業務をこなし定時で帰るアイツはなんて優秀なんだろう。そう思っていました。

しかし、実際は違うということが最近わかりました。ミーティングや上司との面談内容を聞いてみると、彼は効率よく業務をこなしているのではなかったのです。単純に働いていませんでした。おそらく僕の半分も働いていません。ダラダラと働き、定時出社・定時退勤を繰り返し、周りがカバーしていただけでした。最近忙しかったわけです。

ここで僕がしたいのは、僕が後輩のカバーをしていたんだという苦労話でも仕事の愚痴でもありません。僕が彼の仕事ぶりを知ったとき、彼が可哀想でなりませんでした。

なんせ彼は、来る日も来る日も8時間もの間、自分が好きでもやりたくもないことをしていのです。定時に出社し、「8時間経てー!早く8時間経てー!定時はまだかー!」と祈っていたのでしょう。週に5日も。不憫でなりません。

その間僕は、楽しく充実感に満たされながら働いていました。毎日10時間ほど働く日も珍しくありませんが、毎日充実しています。もちろん、今日は早く帰りたいなという日は、業務を調整して定時に退社する日もありますし、有給も取ります。

一応フォローしておきますが、彼が働いていた環境は、年間休日120日以上・残業月10時間以下。初任給25万円+諸手当。働き方改革的視点からは、比較的よい労働環境だと思います。にも関わらず彼は職場環境が気に食わなかったらしく、退職することになりました。それ以外で気に入らないことがあったのでしょう。

働き方は人それぞれ。他人に押し付けるものでも押し付けられるものでもありません。自分で選ぶべきです。

しかし社会人経験が少ないと、就職先や転職先に給与・年間休日数・残業時間などといった客観的な数字を重視してしまいがちです。そして思ったよりも幸せになれません。

主体的に働き仕事そのものを楽しめるようになると、よほどブラックな環境ではない限り、割と幸せになれると思います。

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翼
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