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高校生の本音に愕然…「仕事=つまらない」を変えるために必要なこと
はじめに:仕事は楽しくあるべき
僕は「仕事は楽しくあるべき」だと考えています。もちろん、どんな仕事にも大変なことや苦しい瞬間はあります。でも、それを「つらいもの」として受け入れるのではなく、主体的に関わることで仕事はもっと面白くなる。
この考えについては、以前 「日本の生き残る道は、仕事への情熱を高めることにあり」 という記事で詳しく書きましたので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
この記事では、その前提のもとで 「高校生の仕事観はどう作られるのか?」 そして 「どのようにすれば仕事に対する考え方をより前向きなものにできるのか?」 について考えてみたいと思います。
1. 高校生が持つ「仕事」のイメージ
先日、高校1年生のクラスでキャリア教育の授業を担当しました。最初の授業で「仕事に対するイメージ」を聞いてみると、約6割の生徒が「仕事はつらそう」「大変そう」というネガティブな印象を持っていました。一方、残りの4割は「特に考えたことがない」か、「ポジティブかもしれない」と答えました。
彼らの多くはまだ働いたことがありません。なのに、なぜネガティブな印象を持っているのか?理由を聞いてみると、「親が大変そう」「テレビやネットで仕事のつらさばかり見聞きする」といった声がありました。つまり、彼らの仕事観は実体験ではなく、周囲の大人やメディアの影響で形作られているのです。
2. 「仕事=つらいもの」という価値観はどこから来るのか?
日本では、仕事に対するエンゲージメント(熱意や満足度)が低いとよく言われます。例えば、米調査会社ギャラップの「グローバル就業環境調査」によると、「仕事に熱意を持っている」と答えた日本人の割合は5%で、世界最低水準でした。
「仕事は生活のために仕方なくやるもの」「長時間労働が当たり前」「上司の指示に従うことが求められる」といった価値観が、知らず知らずのうちに社会に広がり、それが子どもたちにも伝わっているのかもしれません。
しかし、本来仕事は「つらいもの」と決めつけるものではなく、「楽しむもの」です。仕事のすべてが楽しいわけではなくても、主体的に関わることで楽しさを生み出すことはできる。その視点が、今の日本社会ではまだ十分に広がっていないのではないでしょうか。
3. 仕事観を変えるには、どんな経験が必要か?
今回のキャリア教育の授業では、「仕事を楽しんでいる大人の話を聞く」ことを重視しました。全6回の授業で、さまざまな職業の方々に、自分のキャリアについて語ってもらいました。
すると、生徒たちはこんな気づきを得ていました。
• 「仕事って1つに絞らなくてもいいんだ!」
• 「肩書きより、やりたいことを大事にしていいんだ!」
• 「弱みを生かして仕事を作ることもできるんだ!」
つまり、仕事の楽しさは「職業名」で決まるものではなく、「どう働くか」「どう関わるか」によって変わるのです。
その意識を持つために、如何に仕事を楽しむ大人と関わるかが重要なのです。
4. 仕事を楽しんでいる大人は、どこにいる?
ここでひとつの課題が出てきます。それは、「仕事を楽しんでいる人と出会う機会が少ない」ということです。
実は、仕事を楽しんでいる人たちは確かに存在しますが、彼らは特定のコミュニティの中で活動していることが多く、一般的な職場ではあまり目立たない傾向があります。また、キャリア教育の講師として地域の人を招くことはよくありますが、その中に仕事を楽しんでいる人がどれだけいるかは未知数です。
仮に、仕事に対してネガティブな価値観を持つ人が講師になった場合、生徒たちは「やっぱり仕事ってつまらないんだな」と思ってしまうかもしれません。だからこそ、キャリア教育の現場に、本当に仕事を楽しんでいる大人を送り込むことが必須なのです。
5. キャリア教育を学校や地域任せにしてはいけない
現状、多くのキャリア教育は「学校や地域の人が協力する形」で成り立っています。しかし、それだけでは不十分です。なぜなら、学校の先生も地域の大人たちも、必ずしも仕事を楽しんでいるとは限らないからです。
「仕事を楽しんでいる人をキャリア教育に送り込む」ためには、企業や専門の団体が積極的に関与する仕組みを作る必要があります。
例えば、
• 仕事を楽しんでいる人を発掘し、キャリア教育の場に繋ぐ専門機関を作る
• 企業が社会貢献の一環として、社員をキャリア教育の講師として派遣する仕組みを作る
• 仕事を楽しんでいる個人が、キャリア教育の講師として活動できるプラットフォームを整備する
こうした取り組みが必要です。
6. 未来の仕事観を変えるために
仕事に対するイメージは、社会が作り上げるものです。親や先生、メディアの影響を受けて、高校生たちは「仕事は大変」と思い込んでしまっています。でも、実際には「仕事が楽しい」と感じている人もいますし、働き方は多様化しています。
だからこそ、キャリア教育を学校や地域任せにせず、仕事を楽しんでいる大人を積極的に送り込む仕組みを作ることが必要です。 これを実現しなければ、高校生たちの仕事観は変わらないでしょう。
まとめ
• 高校生の6割が仕事にネガティブな印象を持っていた
• その原因は、親や社会の仕事観の影響が大きい
• 仕事を楽しむかどうかは「職業」ではなく「向き合い方」で決まる
• 仕事を楽しんでいる大人との出会いが、キャリア教育の鍵になる
• 学校や地域任せにせず、企業や専門機関が積極的に関わるべき
仕事の楽しさを伝えることができる人を、キャリア教育の現場に送り込む。これが、未来の働き方を前向きなものにするために、今やるべきことなのではないでしょうか。
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