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カルティエと日本を結ぶストーリーを知る「結 MUSUBI」展

東京国立博物館で行われている「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話」に行ってきました。

この展覧会は、カルティエが日本に最初のブティックを開いてから50年を記念して開催されたものです。カルティエのハイジュエリーから、日本との関係を知ることができる展示は、見ごたえがありました。


カルティエのジュエリーに取り入れられた日本文化

今回、展示会の会場として選ばれたのは東京国立博物館 表慶館。左右対称という表慶館の構造を生かし、RIGHT WINGではカルティエと日本の芸術・文化と歴史的なつながりを紹介する展示、反対のLEFT WINGではカルティエ芸術財団と日本の現代アーティストとのつながりを紹介する展示構成でした。

1階ホールに展示されていた「日本五十空景」

RIGHT WINGでは、日本美術や文様などからインスピレーションを受けた「カルティエのコレクション」の作品が並んでいました。

「ポルティコ」グラビティッククロック(左)、「日本風鏡」置時計(右)

カルティエのジュエリーと、日本美術のコレクションと並べることで、
「インスピレーションを受けたのは、この部分なのか!」
とわかる展示になっていたと思います。

「ドラゴンフライ」クリップブローチ
ドラゴンフライ ブローチのデザイン画
ドラゴン デコール「パシャ ドゥ カルティエ」スケルトンウォッチ
青海波風のデザインのブローチ
スズラン(左)、アジサイ(中央)、フラワー(右)
スズランが植えられているのは、日本の手桶け?

西洋と東洋が融合したようなデザインの作品も多いように思いました。


マグネティック テーブルクロック

「マグネティック テーブルクロック」は、1928年の作品。
シルバーの文字盤に水を注ぐと、文字盤の下にある磁石が起動し、縁に浮いている亀の頭が時間を表示するそうです。

リンゴの木

「リンゴの木」は盆栽風。(展示のキャプションを見る前は、梅の花の盆栽だと思いました……。)

プレシャス ボックス


カルティエと日本のつながり

2階のROOM4では、カルティエが日本で開催した展覧会の歴史を振り返る内容でした。

東京国立博物館 表慶館では、2009年にも『Story of… カルティエコレクション~めぐり逢う記憶』という展示が開催されたようです。

「スネーク」ネックレス

2019年に国立新美術館で開催された『時の結晶』展には足を運んだと思います。今回、「前に見たことがあるかも?」と思った展示品は、おそらく『時の結晶』展でも展示されていたものかもしれません。あの時は、ずらりと並んだハイジュエリーの数々に圧倒されながら、スマホで写真を撮っていたように思います。

ペリドットとダイヤモンドのネックレスとブレスレット


日本のアーティストとのつながり

LEFT WINGでは、カルティエ現代美術財団と日本人アーティストとの結びつきを紹介する展示でした。横尾忠則、三宅一生、北野武、村上隆など、幅広いアーティストの作品が展示されていました。

三宅一生のインスタレーション(Room5)

カルティエ芸術財団は、創設以来、日本人アーティストの発掘や再発見を行ってきたという案内がありましたが、カルティエが芸術のパトロンという社会貢献にも力を入れていることがわかります。


表慶館という建物にも注目!

今回の展示会場となった表慶館。私は初めての訪問だと思うのですが、建物も素敵でした。重要文化財に指定されている建物は、撮影したくなる場所がたくさんありました

明治33年(1900)、皇太子(後の大正天皇)のご成婚を記念して計画され、明治42年(1909)に開館した、日本ではじめての本格的な美術館です。設計は、J.コンドルの弟子で、東宮御所(現在の迎賓館)なども手がけた宮廷建築家の片山東熊。中央と左右に美しいドーム屋根をいただき、上層部の外壁面には製図用具、工具、楽器などをモチーフにしたレリーフがあります。明治末期の洋風建築を代表する建物として昭和53年(1978)、重要文化財に指定されました。

「東京国立博物館 表慶館フロアマップ」より引用


印象的な緑色のドーム屋根。来場されていた方のほとんどがホールで上を見上げ、写真を撮っていたように思います。

中央ホール(2階)から、ドーム屋根を見上げて撮影してみました。
中央ホールの円柱、レリーフも素敵です。
RIGHT WINGの階段とデジタルインスタレーション
LEFT WINGの階段。アイアンのモチーフが素敵。
LEFT WINGの階段を1階から撮影。
デジタルインスタレーションが突然現れて、びっくりしました。


会期終了目前。いつ行く?

『結 MUSUBI』展は、今週末、7月28日(日)まで。会期終了目前ということで、「混雑している」というSNS投稿も見かけます。

私は、金曜日の夕方行きました。
1巡目(午後3時すぎに入館)は人が多かったのですが、午後4時過ぎになって急に人が少なくなったので、もう1度、気になった作品を中心に見て回りました。ゆっくり展示を見たい方は、日中よりも、金曜日と土曜日の夜間開館の時間帯がねらい目かもしれません。(人出は全く予想できないのですが……。)

会場で無料で配布されている展示リスト(左)。24ページあります。

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