24日目:ちゅうにゅう【注入】→エッセイ
ちゅうにゅう【注入】
そそぎ入れること。つぎこむこと。また、流れ入ること。
*****************
自分の皮膚に注射針を刺されることは、特に恐くない。
針を刺すだけで終わるなら、いくらでも刺してもらっていい。
けれど、看護師さんが薬を間違えていないか、私には分からないからこわい。
注射器の中に入っている、小さな空気もこわい。
薬あってます?それ、血管に入れていいやつ?
ダブルチェック!ダブルチェック!気づくなら今!
え、え、え、注射器の中に空気はいってますけど、大丈夫です?
血管に空気注入したら死ぬらしいですよ。入ってない?ねえ、入ってないそれ?
え、そのまま刺すの?私の腕に?
看護師さんが注射器に薬を注入し、私の腕に針をぶっ刺すまで、頭の中はとてもうるさいけれど、「気分悪くないですか?」と聞かれても、気分は悪くないから「大丈夫です」としか答えられない。
じゅーっと音を立てて薬が入っていくのを、ただ見つめる。
自分の体に異変が起きないか、心を静めてよーく感じる。
異変が起きたとき、病院にいるうちに対処してもらえるように。
針を抜かれて、待合室で白目になるくらい長時間待ってお会計を済ませるころ、やっと私は安心して、「あの看護師…できる!」と生き延びた喜びを感じる。
でも、気持ちがざわざわするから、やっぱり注射は嫌い。
いいなと思ったら応援しよう!
お読み頂き、ありがとうございました。
読んでくれる方がいるだけで、めっちゃ嬉しいです!