「ガリ勉」と「ぶりっ子」
「ガリ勉」という言葉は完全に死語になったのかな。
「ぶりっ子」(かわいこぶりっ子)も同じかな。
私が小・中学生のころ、タモリさん発祥(?)の「根クラ」という言葉が流行り、それと似たテイストで「ガリ勉」という言葉が流行りました。
漫画やアニメに登場する「ガリ勉」のビジュアルは、学ラン、瓶底メガネ。坊主頭にハチマキ(「必勝」とか書いてある)をしていることもありました。
「ガリ勉」とは「ガリガリと勉強ばかりしていて、全く面白みの無い奴」、転じて、「学校の成績は良いかもしれないが、人としての魅力に欠ける」といった意味で使われ、けなし言葉でした。
成績が良い子への妬みや、いやみとして使われることもありました。
そして「ぶりっ子」とは実際の容姿の良し悪しにかかわらず、打算的に天然キャラを装ったり、おバカさんのフリをしたりして「私ってかわいいでしょ?」とモテを狙う女子の態度を指し、「あの子、ぶりっ子だから嫌い」などと使われるけなし言葉でした。
「ぶりっ子」は、今どきで言うと「あざとい」という言葉が意味が近いでしょうか。
「あざとい」はより戦略的な要素が強く、「自分の強みや見せ方をよくわかっている、賢い生き方」ぐらいの意味で、「女子力(が)高い」と同様、むしろ賞賛の言葉として使われるようにも感じられます。
「ガリ勉」は、今どき、それに近い表現はあるのかな?
平成末期生まれの我が子に「ガリ勉」の話をしてみたところ、「それがなぜ、けなし言葉なのかわからない」と、ピンと来ない様子でした。
その子のキャラクターややり方はどうあれ、勉強ができる、成績が良い、ということはかっこいい、という時代になってきたのかな。
勉強に明け暮れる青春もありなのかな。それと引き換えに、早く自立して自由な大人になれるなら…!
成人年齢の引き下げ、少子高齢、AIとともに働く世代ということもあり、現在の子どもたちがモラトリアムとは逆の方向に進んでいって欲しいと願います。