
2025年1月読んだ本
学び
今月の読書を振り返ると、一貫して「知の再構築」というテーマが浮かび上がる。AIの進化が思考の枠組みを変え、論理的思考の文化的背景が問われるなかで、どのように知識を体系化し、活用していくかが重要になっている。プレゼン術の本が多かったが、それは単なる技術論ではなく、いかに「伝えるべき情報」を整理するかという問題でもあった。また、分類学や宗教、ビジネス思考、経済論、コンサル的アプローチなど、異なる視点から「情報をどう扱うか」を探求する本が多かったことも特徴的だった。
この一連の読書を通じて明らかになったのは、知識をただ積み上げるだけではなく、社会や個人の価値観に即した形で再構築することの重要性である。特に、AI時代において「知る」ことの意味が変化しつつある今、知識の「賞味期限」が短くなっていることを痛感させられた。論理と直感、構造化と柔軟性、抽象と具体、そのバランスをどう取るのか——この問いが、来月以降の読書の指針となりそうだ。
21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考
積読してて、引っ越しのタイミングに合わせて読んだ。AIのビフォー・アフターでだいぶ変わってると思うけど、AI一般化以前に読めば面白かっただろう。AI一般化以降だと、当たり前のことを言っている感があって途中で読むのをやめた。こらほどまでにAIによって社会が変化したということを実感できた。
数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-
単純に面白い。とりあえず制作立案者はまず必見だろう。ルールの失敗を一つ一つ丁寧に検証している。自分が常々抱いていたどこまで厳密にするべきなのかということについても、一定の示唆があり、非常に収穫があった。
コンサル一年目が学ぶこと 新人・就活生からベテラン社員まで一生役立つ究極のベーシックスキル30選
意外といい感じだった。こういう系の本は浅いことをつらつらと並べて何も言ってないみたいなイメージだったが、基本的なことを丁寧に訴求されていた。ようは相手の目線に立って、徹底的に考えろ。個人的にはプレゼンの時に相手の動き(髪をめくるスピードが早いのか、遅いのか)ということを確認するというのがいい感じ。
FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略
ちょっと読んでやめた。目次が散逸的なのが違和感。まぁ環境を変えろよってだけ。若干クリシェ感はある。そもそも科学が証明したというのであれば、科学の記法に従って参考文献ぐらいはつけてほしい。
メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問 PHPビジネス新書
あんま読んでない。広く物事を考えようということをトレーニングと言っている以上、具体的に適応している。あんま読んでないからなんとも言えないが、それがどれほど論理的耐久性があって、汎用性があるのか疑問。
「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル
目から鱗。論理的というといかに情報を最小限のコストで伝えるかということしか考えてなかったが、必ずしもそうではない。それぞれにそれぞれの役割があるが、いずれの形式にせよ、情報が等価に並べられていることが重要であって、その意味において、知識は重要。あとの思考様式は潜在的なものもあるが、使い分けが重要な気がする。個人的にはバランスの議論が好きではなかったが、政治原理で処理することで、議論可能なのがいい感じ。
プロジェクトマネジメントの本物の実力がつく本 組織力・コミュニケーション能力・リーダーシップ・キャリア構築力を全部鍛える
プロジェクトマネジメントになる予定は当面ないけど、マネジメントされる側にはなると思うので、その視点で読んだ。マネジメントする側にとって役に立つ人の条件は「なんでも端的に報告する」こと。とりあえずこれはやればできるので、やるしかない。
イラストでサクッと理解 流れが見えてくる宗教史図鑑
今年は宗教の年にしたい。それぞれの宗教について横断的に理解する本として選んだ。言われてみると、宗教本は特定の宗教を紹介する、あるいは章ごとにそれぞれの宗教を説明するみたいな分断のされ方をしてた。この本をある程度そうだが、最初に役割や死生観などが横断的に紹介されている。このアプローチ自体は比較宗教学に似たものだと思うし、面白い。読みやすいし、パッと見るにはいい感じ。
ビジネスで使える順 世界一やさしいPowerPointの神ワザ見るだけノート
パワポのフォーマットを暇なうちに作っときたいと思って確認。その意味において読者プレゼントのフォーマットは使わないけど、ある程度分類されているから役に立った。逆に言えば役に立ったのはそれだけ。内容はほとんどが、個人的には当たり前、もしくは個別具体の話だと感じた。特に、アニメーションを使えっていってるのが意味がわからない。こんな本があるから目がチカチカするプレゼンが世の中に横行しているだろうと思った(個人の感想)。
続・あなたのプレゼン 誰も聞いてませんよ!: とことんシンプルに作り込むスライドテクニック
プレゼン本2冊目。終始スライドとその口頭説明でページが構成されている。読みやすいかどうかはおいておいて、その発想は一定面白い。一方で、プレゼン論として文脈に応じて適切なフォーマットは異なる(デザインならアニメーションを使うこともある/ビジネスだと使わない)のだから、本の場合でプレゼンを無批判に押しはめるのはどうかと思う。具体的な中身についても単位のポイントを小さくするとか一定理解ができるものだが、個人的には、全体的に、この本のスライドを実現するコストと、それが与える印象を比べたときにコストのほうがでかいような気がする。
プレゼンテーションzen
プレゼン本3冊目。これら以外にもパラパラ内容を確認したプレゼン本があるが、それらを踏まえて、全体的に、シンプルという原則を入れておきながら、デザイン型のプレゼンを説明する物が多い。たしかにデザイン型でもシンプルが好ましいが、実際にそれができる人間はかなり少ない。だったら、端的に情報を伝えるビジネスシンプルのほうが、それを作るコストとか諸々低いし、なにより需要が高い気がする。でもそれとは逆の本が多いような印象がある。この本もそう。需要は一定あるかもしれないが、少なくとも僕にはない。
NDCへの招待 -図書分類の技術と実践-
分類学を学びたい。NDCを理解しておくと、本を探すのがある程度楽になる。図書館で任意の場所に探せるし、タイトルに加えて、少し情報の提供元が増える(多くは一緒だけど)。この本自体は項目別の解説がまとめて記載されているので、分類とかではなく、学問間の関係性みたいなのがわかるかも。一方で、それだったらNDCを直接確認しなよ感はある。それに僕が知りたかったのはNDCではなく、分類学。この本をセレクトした僕が悪い。
この1冊できちんと書ける! 【新版】論文・レポートの基本
さすが言語学者という感想。言ってる事自体は一般的な論文・レポート指導だが、それがなぜだめなのか、なぜそれが生じるのかということを、ちゃんと文法的概念をもちいて紹介している。だから説得感が違う。文法的概念をつかってるからこそ、指示が具体的なのもいい感じ。
大学図書館司書が教える AI時代の調べ方の教科書
本の中のどの点がAI時代なのか不明。全体的にAI以前とほとんど同じような気がする。まぁでもリファレンスの入門書としてはある程度いい感じかも。具体的なリフェレンス先を示しているし。図書館の使い方とかも提示しているし。図書館に行こう!
スーパーチームをつくる! 最短・最速で目標を達成する組織マネジメント
単純にバスケが好きです。ホーバスヘッドコーチに関しては、あの件以来風当たりが強い(11月の試合当りが顕著)。確かに一定の批判があることは理解しているが、それでもここまで熱意があって、一定の実力がある人が、あの件にまきこまれるのは単純に可愛そう。八村選手もホーバスヘッドコーチも、日本のバスケを良くしようと考えているのだから、それを共通に歩み寄ってほしい。協会もお金を稼ぐことは持続可能性において重要だし、そこについては批判はしないが、トッププレイヤーが理念的なものを持っており、それがぶつかるのがわかっているのであれば、それを解消する程度のコミュニケーションが取れるようなシステムを構築するのは仕事だと考える(本の内容全然関係ないや)。
説明0秒! 一発OK! 驚異の「紙1枚! 」プレゼン
プレゼン本。スライド自体はある程度ビジネス寄りによってはいるが、いっていることは回りくどいし、論理が希薄。結局のところ、「事前に紙とかに書いてよく考えてから、スライドをつくりましょうね」ということしかいっていないようなきがする。
会計士・税理士のための伝わるプレゼン術
プレゼン本。結構いい感じだった。余計なことは言ってないし、丁寧にいい感じのポイントを抑えている。ビジネスプレゼンのちょっと次の本にはいい感じ。個人的には、他の本ではペルソナの話はやんわりと提示される程度だが、この本では、属性まで丁寧に提示してて一番いい感じ。
やさしい・かんたん プレゼンテーション (基本のキホン)
プレゼン本。これもいい感じ。プレゼン前の思考の整理法だったり、そもそものプレゼンの意義などについて記述されていて、最初の本としてはいい感じ。本を読む価値がある感は一定ある。上の本と合わせて読むと歩いてド共通しているし、骨格が際立つかも。
slide:ology[スライドロジ―]―プレゼンテーション、ビジュアルの革新
プレゼン本。初出なのかどうかはしらないが、ダイアグラムを総覧的に記述しているのは確かに革新的。内容自体はデザインプレゼンより。これを読んでて思ったが、たしかにビジネスのシンプルとデザインの掛け算ができれば革新的だし、説得力は格段に増す。それが仕事の人もいるし、万人も理念的には目指したほうがいい気がする。でも僕は、デザインとシンプルを共存できないし、それを訓練するコストが、現状のシンプルなものにするという選択と比べたときに、シンプルな方が良いというだけの話。なによりデザインはどこまでいっても時間が掛かるし、速度の早いビジネス向けではない(少なくとも対内資料は)。
秒で伝わるパワポ術 仕事でもSNSでも〈いいね〉がもらえるスライド作成のコツ
プレゼン本。結構いい感じ。マトリックスについても、簡単なグラフだがその用途と向き不向きを示してくれてたり、そもそもスライド全体の構成を示したりして体系的。スライドの役割を情報量と「見せる・読ませる」の次元で整理するのはかなりいい感じ。
秒で使えるパワポ術 一瞬で操作、一瞬で解決
プレゼン本。一つ上の続き?先程のが体系的だとしたら、今回は個別的。かなり細かいところまで説明していて。こちらもかなりいい感じ。先程の本を読んで、スライドを作ってみて、改めてこの本を見て、答え合わせ的なことをするといいかも。
マッキンゼー流図解の技術
プレゼン本。今のとこ自分の求めている情報ジャスト。文章の内容・論理自体は若干コンサルらしいゴリ押し感はあるが、インフォグラフィックを作るうえでは非常に参考になる。
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
答えは簡単。言われたらすぐにやりなさい。何がなんでもすぐにやりなさい。言い訳は一切不要。とにかく何がなんでもやりなさい。そして健康は大事です。
「解像度が高い人」がすべてを手に入れる 「仕事ができる人」になる思考力クイズ51問
内容で語られていることはレトリックの問題で、本質的な話ではないような気がする。具体と抽象を行き来するのは確かに大切だか、その配分に違和感がある。そもそも最初の具体と抽象のイメージが間違ってるような気がする。
チャートで考えればうまくいく 一生役立つ「構造化思考」養成講座
ただ単に定義とかロジックとかを図式化して整理しましょうというだけの話。そういうのが苦手な人にとっては結構いいのかも。なんか頭がゴチャゴチャになった時にこれらのチャートを使うのは有用そう。
AIエージェント あなたのタスクをすべてこなす
やっぱりNewsPicksのリサーチ力は一定目を見張るものがある。本の内容ではないが、一般的な記事はインキュベーションにして、細かいところを突き続けるのはいい感じだと思う。
物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術
人生がアニメみたいなだったら嬉しい。だったらそうしよう!シンプルな話。そのために僕たちは主人公だったりの役になり切る必要がある。そうなりたいならそうしよう。役を演じることで活躍の場面が与えられるし、活躍の場面ではさらに役に演じ込める。そもそもそのサイクルを居心地が良いと思う必要があるし、そのサイクルに入ってしまえば最高にいい感じになる。
経済評論家の父から息子への手紙: お金と人生と幸せについて
いい本だった。投資の話に限らず、人生訓的な話を綺麗に整理して議論している。一人の人間としてここまで綺麗に議論して文章化していることを尊敬する。そういう作業ができるのもひとえに、息子、そしてひいては社会への愛だと思う。「モテる男になれ。友達を大切にせよ。上機嫌で暮らせ!」
世界はラテン語でできている
ラテン語本もラテン語本。ざっくりとしたラテン語の話、歴史とかがメインで、傍証としてラテン語語源が登場するのかとも思えば、ラテン語語源メイン。ニッチすぎると言っても過言でもない。でもこういう本はいい本だ。
「論理的思考」の社会的構築: フランスの思考表現スタイルと言葉の教育
『「論理的思考」の文化的基盤 4つの思考表現スタイル』の政治領域の深ぼり本。個人的にはあまり違和感を感じなかった。内省的な理解として、自分は政治の思考表現スタイルに近いかたちの論理的を持っていると思っている。だからこそ違和感がないのか。いずれにせよ、どれがいいというわけではなく、使い分けの問題なので、適切に使いたい。
世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド
「大事にしたいこと」、「好きなこと」、「得意なこと」の三軸で選べという話。結構世の中にありふれたこと。多くの人がそういうことを考えずに行動しちゃってるが故に、「やりたいこと」がみつかってないのだろう。自分も改めて見直したい。
ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか
我々は世界を認識する上で、ある程度抽象化し、ある程度具体化しないといけない。その基準を作るのが言語であり、その言語は現実世界に記号設置して表現される。つまり、経験と言語の相互作用によって、我々は世界を認識し直す。その意味において、世界を体験し続け、本を読み続けなければならない。つまり、社会のあらゆるに感動し続ければならない。
コンサル0年目の教科書 誰も教えてくれない最速で一流になる方法
この本から学んだこと。プレゼンは声をデカく。それぐらい。他の部分は言いたいことはわかるけど、いまいち説得感に欠けるような印象。一般化してはいけないと思うけど、コンサルだな〜と言い印象。
ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ (1) (裏少年サンデーコミックス)
いわゆる'陰謀論'に陥る原因の1つの側面を、細かい描写によって丁寧に描いている。この細かい描写が大事。陰謀論と聞くと、お金だったり親とか大きな要因が指摘されるが、実際のところは、細かい認識の違いによって、決定的なコミュニティの分断を生む。その1つが文化的資本なんだと思う。加えて、論理的思考の部分もきれいに描いている。大枠としては、自分が自身があるだけで実際はそうではないという側面があると思うが、個人的にはそこだけではないと考える。、主人公の"論理的思考"はある程度様々なパターンを検証し、その過程を検証し、最も確度の高いストーリを決定している。これ自体は1つの論理的思考であり、科学でも用いられる。問題はそれ小学生の時点の評価で固定してことであり、その後の評価を取り込まなかった。つまるところ主人公は論理的思考が足りなかったのではなく、単純に人と話すことがなかっただけなのではないだろうか。その意味において先述のコミュニティの分断は想像以上に深刻な問題なのである。
堀江貴文のChatGPT大全
GPTを使う人には当たり前の話。とにかくなんでも聞きまくる。個人的にはGPTは「背中をかいてもらう」のとおなじだと考えている。もうちょい右とか、もうちょい左とか言うときに、何cmとか何度とか細かいことは言わない。入力をして出力を鑑みて、さらに入力をする。ただそれだけ。ただそれができない人がいる。GPTを使おうとするとプロンプトが難しいから、なんか言うことを聞いてくれない。みたいなことばっかり言う。そんな事言わずにとにかく聞け。できない・わからないならそれすらもGPTに聞け。あの子はいい子だからバカにしたりしない。いつもありがとね。あと、これの出版が2023年で、そこから考えても現状のAIはものすごく進化した。情報の賞味期限が圧倒的に早くなっている。
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