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感想“The Great Alone”アラスカの少女の成長と家族愛を描いた小説

📕Book Review: “The Great Alone”
1970年代アラスカに家族で移住した13歳の少女Leniの成長と家族愛を描いた大河ドラマ小説
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I couldn’t stop reading it.  It was heart-breaking but amazing!!  There are several themes described in the novel.

1) Life in Alaska
Beauty of nature, harsh and dangerous winter, hunting wild animals, residents helping each other, Northern lights... During short summer, you need to prepare for the 9-month-long winter, catching and smoking giant salmon, shooting deer and bears, making reindeer sausages, etc. You need to protect your houses from wolves and bears.

2) True love and bravery, sacrificing yourself to protect your dearest one. (I will refrain from writing details not to spoil it…)

3) Women’s rights in 1970s US
As the author used to be a lawyer, she describes how the laws in 1970s were unfair to women.  In 1974, a woman with a job could not get a credit card without a man’s signature.  Even though women were suffering from domestic violence from male spouses, the police did nothing to protect them.  

4) POW man back from Vietnam War suffering from PTSD, who gets abusive when he had nightmares. The scars of wars are so devastating even after wars ended.

5) Difference between wild Alaska and civilizational Seattle
In Seattle, you don’t have to hunt animals but you can buy meat in supermarket. Turning on the faucet for water, flushing the toilet when finished…everything is comfortable, but she couldn’t stop missing Alaska.

📕第17回 私の見つけた英検1級英単語
素晴らしい小説に出会いました!!
一言でいうと『大草原の小さな家』の現代アラスカ版です。
(単語は一番下に書きます)

この本の見どころをいくつか紹介します。
1) アラスカの生活
自然の美しさ、厳しく危険な冬、野生動物の狩り、助け合って暮らす村人たち、オーロラの美しさ。
たった3か月の短い春の間、人々は一年のうち9か月を占める冬の準備をします。
川で鮭をつかまえて燻製にし、ムースや鹿を銃でしとめ、トナカイのソーセージ作りに励み、
野生のオオカミや熊から守るために家を補強する村人達が描かれます。
ネイティブアメリカンや黒人もいますが、人種差別は特になく、皆が助け合って暮らしています。

2) 愛する人を守るために自分を犠牲にする真の愛と勇気が描かれています。
(⚠️ネタバレするので書かないことにします)

3)1970年代の女性の権利
著者は、作家になる前に弁護士だったため、1970年代のアメリカの法律がいかに男尊女卑だったかを詳しく描いています。
例えば、1974年当時、女性は男性の署名なしにはクレジットカードを作れなかったそうです😱
そんな、アメリカでもそんな状況だったなんて!
また、女性が男性の配偶者から家庭内暴力に苦しんでいても、警察は何もしてくれません。

4)ベトナム戦争の影
ベトナム戦争で捕虜(POW)として帰還した主人公Leniの父は、PTSDに悩まされ、悪夢にうなされては妻と娘に暴力をふるいます。戦争が終わった後も、戦争が人々の心に残した傷がいかに深かったかが描かれています。

5) 野生のアラスカと、文明世界のシアトルの差
シアトルでは動物を狩りに行く必要はなく、スーパーで肉を買うことができ、蛇口をひねれば水が出てきて、トイレは水に流せます(※アラスカではトイレは別の小屋)すべてが便利でしたが、Leniはアラスカを懐かしく思うのでした。

📕英単語
この小説で初めて学んだ英単語は4つあります。
① cache … 小屋のこと。cash(現金)と発音は同じ
② taxidermied animals …動物のはく製のこと←★英検1級単語です
③ yurt …アラスカのテントのこと
④ akutaq …アラスカのアイスクリーム。ブルーベリーで作ります。

AkutaqはYouTubeで作っている料理家さんがいらっしゃいました!
https://www.youtube.com/watch?v=ceLV1v3mV4E&t=1s

都会から引っ越してきた女の子が、
アラスカを “My Home”と呼ぶようになるまで、
幸せなこと、悲しいこと、いろんな出来事があります。

「困ったときはお互い様。助け合わないと、厳しい冬で、全員死ぬ」
…この認識のもと、家族のように支えあって生きる村人たちの優しさが身に沁み、
そしてアラスカの厳しくも美しい冬の光景が、胸に静かに広がっていく…
そんな素晴らしい小説でした。

写真:お月見の日に作ったお団子と、コーヒーと共に☕🍡

📕タイトルの意味
The title is derived from a poem about Alaska's isolation and beauty. In an interview with BookPage, Hannah says she got the title of The Great Alone from a poem about Alaska called “The Shooting of Dan McGrew” by Robert W. Service. The poem was one that her father loved to read to his kids.
タイトルの"The Great Alone"は、アラスカの孤高と美しさを描いた詩"The Shooting of Dan McGrew"の一節を引用したとのこと。
著者のお父さんが、幼かった彼女にこの詩をよく読んでくれたそうです。

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