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「命がけの信念」と「生きてこそ」の葛藤

毎朝楽しみにしている『虎と翼』。
1週間の最後の放送で、衝撃的な出来事が発覚した。

以下、ネタバレ含みます。









主人公、寅子の学生時代の仲間だった花岡が亡くなった。
花岡のモデルになった山口良忠判事は、佐賀県出身。東京地裁で経済犯の担当として食糧管理法(食管法)の違反罪などを裁いていた。当時、配給だけではとても食べていけず、闇市に手を出す人たちの取り締まりに従事しながら「取り締まる立場の自分が闇米に手を出してはいけない」との信念の末、餓死。

同じく花岡も司法としての正しさと、人としての正しさに挟まれ悩み「闇市の食べ物には手をつけない」と決めた末の餓死だった。

餓死してまで、自分の信念を守るって高潔な人だったんだろうな。
確かに「闇市で食料を買う」のは法律上は犯罪だけど。

この世に、命が尽きるとしても、自分が信じる「正しさ」を貫ける人なんてどのくらいいるだろう。

私は「生きてこそ」が信条なので、戦後あの状態に放り込まれたらきっと法を犯してしまう。死ぬかもしれないとなれば、たぶん盗みだって働く。
生きてないと、大切な人も信条も守れないから。

私は花岡が餓死という結末を迎えてしまったのがもちろん悲しかったんだけど、同時に悔しかったんだ。

死んだらどうにもならないじゃん、と。

普遍的な正しさなんてあるのかどうかわからない。
そんなことでいちいち正しさが変わっていたら、世の中は立ち行かないのかもしれない。

ただ、私は花岡には「生きて世の中を変えてやる」って思ってほしかった。

いついかなる時も正しくあるのが「正しいかどうか」私にはわからない。

ただ「正しさ」の揺らぎの中に、私は情けや人間らしさを感じてしまう。

ああ、ほんと、毎週毎週揺さぶってくるな。
花岡の冥福を祈りながら、月曜を待つことにしよう。

そろそろよねさんに会いたいです。


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