小さくて脆い僕ら
君が泣いている夢を見た
バス停のベンチ
ぎりぎり雨に濡れないその場所で、君は隅っこに座り俯いている
幾本ものバスが、乗車のためにドアを開けたけれど、君は乗る素振りを見せないのでプシュゥとドアを閉めて出発した
君がその場所で泣いているのは、きっとそこを動けないからだろう
引き返すことも、進むことも出来ず
どうしていいのかも、どうしたいのかも分からず、ただそこに在る
きっといつか君も知ることになる
そんな日々に終わりは来ない。ごくごく当たり前に繰り返されていく日常にそれらは織り込まれているということを
――だけど……
今を生きる僕らは、“今”それを乗り越えられるだけの力があるのかどうかも怪しいほどに、弱く脆くなってしまう
チカチカと天井の灯がついた
君は立ち上がって雨の中を歩き始めた
君の後ろ姿が見えなくなるまで見つめていたら、午前6時のベルが鳴った