散歩
優しく手を引いている後ろ姿に、嫉妬する
見ず知らずの人の後ろ姿に嫉妬する
そんな日もあるさと、小さく呟いてみた
けれど、なんの気休めにもならなかった
なんの理由もない
僕が欲しいのは、なんだったかな
綺麗な大人たちが話す綺麗な言葉には
僕が欲しいものはなかった
背伸びをした同世代たちが話す背伸びをした言葉にも
僕が欲しいものはなかった
眩しい君も好きだし
暗闇に浮かんだ君も好き
正解のない世界の中で僕たちはずっと迷子のままで、ひたすら歩いてゆく
どこかに向かって、命尽きるまで
楽しいことも悲しいことも、多くを抱えて
僕が独りのように、君も独り
独りと独り
ただ今を、歩いてゆく
今日笑って明日泣いて
明後日怒って明々後日また笑う