つぶやき5ー写真と20代
写真を撮ることにはまったのは20代半ばごろ。
私は21歳で一人暮らしを始めた。そんなひとりの生活を送る中で、幼少期からの家庭環境が良くなかったことの影響が少しずつ表面化し始め、思考が止まらなくなり、だんだんと頭を擡げてダークサイドに堕ちていった。
ウェブサイトは22、3歳のころに持っていたのだけど、そういった思考によって、サイトに掲載する“言葉”や“写真”の方向性は決まったように思う。
写真の好きなところは、日常生活の中で“視覚”で捉えて写し出すというところ。
今振り返ってみても、撮る写真は暗い印象のものが多かったと思う。きっと、同じものを撮っても明るく撮る人はいるけれど、その大きな違いが視覚で分かる写真というのは、私にとっては表現のしやすいものだった。
作品を作るという気構えもなく、撮りたいものを撮る。
“撮りたいものを撮る”から、“撮りたいものを撮りたいように撮る”に変わってから更にカメラにはまっていき、独学での勉強を本気で始めた。そして、時代はデジタルカメラという中で、フィルムカメラと露出計を借りて、絞りとシャッタースピードと露出の関係を勉強していた。
数年は父のカメラを借りて撮っていた。借りていたのはNikon(COOLPIX)やCanon(PowerShot)、Panasonic(Lumix)などのコンデジ。
自分自身で初めてデジタル一眼レフを購入したのは2006年だったと思う。Nikon D80。今も防湿庫の中で眠っている。
街のきらきらと眩しい世界が苦手だけれど、森の中の緑ときらきら光る世界はきれいだから写したい。雨上がりのきらきらした世界は苦手だから、雨を写したい。青空に映えるきれいな桜よりも、寂しく切ない桜を撮りたい。
質感も温度も息遣いも空気感も、写せるのが好きだし、全てを写したい。
私は今も昔も、変わらずこの場所にいる。