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ぼくらはみんな生きている

息子氏がみていたので、久しぶりにアニメ『ピンポン』を目にした。
しかも、最終回。

顛末の回収。クライマックスにつながりつつ、揺らぎ勢いのある線がのびのびと宇宙や命までつながってゆく。

息子氏をして、「時代のベストマッチ」と言わせる松本大洋 原作/湯浅政明 監督の2012年作品だ。


アニメ『ピンポン』最終回には、やなせたかしの『ぼくらはみんな生きている』が流れる。

ただ流れるだけではなくて、幼少時の主人公ペコが暗がりで懐中電灯を手のひらに当て、二人目の主人公、幼少の月本に見せるシーンとしても流れる。暗がりで赤く光る手のひらと二人の影が浮かび上がる。

コテンラジオの『やなせたかし』回を思い出す。
『ぼくらはみんな生きている』が生まれた経緯が思い返される。
そこに、ペコと月本の過去、最終決戦中の現在が交錯する。

『やなせたかし』作詞の歌から『ピンポン』原作者に作品のバトンが渡り、またそれがアニメーションの動きと音の中で再現される。
継承の反復。波。響き合い。
視聴者にも、継承されていく。

胸熱(むねあつ)。何度みても、いい作品。
最高の戦いでありながら同時に、のびのびとした人間の遊びである。
人をワクワクさせて、心の底から「楽しい」を沸き起こさせる。

アニメ『ピンポン』のような作品がまた、生まれてくるのを見たい。

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