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エッセイ*坦々麺大作戦
これまた学生の時分の話。
といっても今回は大学生の時。
入学して間も無く、アカペラサークルへ入会した。
生まれてこの方、クラブや部活動は音楽系ばかりであったが、音楽系の集まりの人間関係はあまり得意ではない。
思えば大勢の女の中に少し男がいるという場合の人間関係は大抵良い方は転ばない。
少数派の男に好意を向けられ、それゆえに女たちのコミュニティへ入れないという、ルートへ強制的に引き込まれてしまう。
純粋に音楽を楽しみたいだけなのに、ろくな目に会ったことがない。
話がそれましたが、そのサークルも例外ではなかった。
入会して1-2週間後だったと思う。
ある男の子に好意を伝えられた。
会って間も無くなのに何を言っているのか、
私の何もわからないだろうに。
ありがとうとだけ伝えた。
まだ未熟だった私は、どうにかパーフェクト乙女イメージを崩さねばと考えた。
た、坦々麺や!坦々麺大作戦や…!
思いついたのは毎日ひたすら坦々麺を食べるということ。
部員の溜まり場になっていた学食でひたすら啜った。
初夏とはいえ暑い。
そのなかで熱々の坦々麺を啜る。
汗はかくし、鼻水も出る。
一心不乱に啜る姿を見ればきっと嫌いになってもらえる!
作戦はあえなく失敗に終わった。
結局交際を断った後、なぜか周りの部員たちに酷いやつだ、なんとかしてくっつけようという謎ムーブメントが生まれ、退会してしまった。
あの日以来、坦々麺もアカペラもご無沙汰である。
*あとがき
学食の坦々麺、たった300円であんなに美味しいものが食べられるとは幸せだったなあ。
みっともない姿で食物を摂取する姿を見せても、嫌われないことがわかりました。
人の感情はコントロールできないから、馬が合うコミュニティないしは人とだけ付き合うべきだと、大人になって気付きました。
あと私は大人数のコミュニティは向いていない笑