仲村つばき

ライトノベルやキャラクター文芸を書いております。 2013年にビーズログ文庫からデビューしました。 著作に「シンデレラ伯爵家の靴箱館」(ビーズログ文庫)「ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女」(オレンジ文庫)など。noteは主にお知らせ用です。

仲村つばき

ライトノベルやキャラクター文芸を書いております。 2013年にビーズログ文庫からデビューしました。 著作に「シンデレラ伯爵家の靴箱館」(ビーズログ文庫)「ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女」(オレンジ文庫)など。noteは主にお知らせ用です。

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  • 夏日記

    ライト文芸を書いている仲村つばきによる、2024年夏の日記です。

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最近の記事

夏日記⑬ 総括と夏のおわり

ずいぶん前回の日記から間が空いてしまい、気がつけば秋の空気である。 あわててこれを書いている。前回の日記では幼なじみのまゆちゃんと遊びに行ったことでも書くかと思っていたのだが、やることが山積みかつ果てしないということで、このあたりで日記を終わらせることにした。   先週あたり、遅めの夏休みをとって海外に冒険に出ていたのだが、このことを書くとまた特別連載仕様となってしまうので、またの機会にしようと思う。 トラブル続きで友人知人のみなさまにたいへんお世話になってしまった。 私の新

    • 夏日記⑫ イタリアンとパラレルワールド

      8月が終わり、9月になろうとしている。 この夏日記だが、いつまで続けるかと悩んだ結果、あと1回か2回で終了することにした。 日記を続けてもいいなとは思ったのだが、夏限定だからこそ「noteを書くか!」と自分を奮い立たせることができていたので、これが恒常的になってしまうのはどうだろうか……そこのところはどうなんですか仲村よ……と自分に問いかけてみたが、色よい返事を聞くことができなかった。 また『秋日記』や『冬日記』をはじめるかもしれないし、お仕事のお知らせや思いのままに書きた

      • 夏日記⑪ 節約と贅沢

        しばらくぶりに、いつもの夏日記の再開である。 最近の連載でちょっとひんやりしていただいたかもしれないので、今度はのんびりとした日常でいきたいと思う。 毎日、猛烈に暑い。 言われなくともわかっとるわい、と思われるだろう。でもあえて言わせていただく。猛烈に、ただただ、暑い。 息苦しいし、電車から降りてオフィスに行くまでにすでに汗だくだし、ついにハンディファンを買った。 みんなが持っているFrancfrancの可愛いやつにしようかと思ったが、常に閉店セールをしている類の店舗で、

        • 夏日記特別編『ゴムゴムの女』第五話 まだいる

          ホラーコメディである『彼女はジャンヌ・クーロン、伯爵家の降霊術師』の執筆にあたり、自身が体験した怖い話を整理していたので、この夏供養することにする。夏日記特別編として、全五話連載予定。今回は最終話の更新である。 第一話 第二話 第三話 第四話 ※記事に使用しているコミカライズ版ジャンヌ・クーロンの画像ですが、担当さんより使用許可をいただいております。 *** ゴムゴムの女は、私の耳元でささやいたのである。 「殺してやる」 ぞっとした。 女は笑っている。背中の方で、げ

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        記事

          夏日記特別編『ゴムゴムの女』第四話 似ている女

          ホラーコメディである『彼女はジャンヌ・クーロン、伯爵家の降霊術師』の執筆にあたり、自身が体験した怖い話を整理していたので、この夏供養することにする。夏日記特別編として、全五話連載予定。今回は第四話の更新である。 第一話 第二話 第三話 ※記事に使用しているコミカライズ版ジャンヌ・クーロンの画像ですが、担当さんより使用許可をいただいております。 *** ビタン!ビタン! いくつもの手が窓に張りついてる。みんな同じ形の、白くて、細長い手。 ゴムゴムの女だ。 私は勢いよ

          夏日記特別編『ゴムゴムの女』第四話 似ている女

          夏日記特別編『ゴムゴムの女』第三話 再会

          ホラーコメディである『彼女はジャンヌ・クーロン、伯爵家の降霊術師』の執筆にあたり、自身が体験した怖い話を整理していたので、この夏供養することにする。夏日記特別編として、全五話連載予定。今回は第三話の更新である。 第一話 第二話 ※記事に使用しているコミカライズ版ジャンヌ・クーロンの画像ですが、担当さんより使用許可をいただいております。 *** 地鎮祭が行われた。 私は、どうかこの儀式を行う人が、いんちきではありませんようにと祈っていた。 あのゴムゴムの女がどさくさにまぎ

          夏日記特別編『ゴムゴムの女』第三話 再会

          夏日記特別編『ゴムゴムの女』第二話 土葬

          ホラーコメディである『彼女はジャンヌ・クーロン、伯爵家の降霊術師』の執筆にあたり、自身が体験した怖い話を整理していたので、この夏供養することにする。夏日記特別編として、全五話連載予定。今回は第二話の更新である。 第一話 ※記事に使用しているコミカライズ版ジャンヌ・クーロンの画像ですが、担当さんより使用許可をいただいております。 *** 地面から、人の手が生えている。 なんで――と思う前に、手はすばやくうねり、私をめがけて伸びてくる。私は悲鳴を上げたが、それは声にならなかっ

          夏日記特別編『ゴムゴムの女』第二話 土葬

          夏日記特別編『ゴムゴムの女』第一話 古い家

          ホラーコメディである『彼女はジャンヌ・クーロン、伯爵家の降霊術師』の執筆にあたり、自身が体験した怖い話を整理していたので、この夏供養することにする。夏日記特別編として、全五話連載予定。今回は第一話の更新である。 ※記事に使用しているコミカライズ版ジャンヌ・クーロンの画像ですが、担当さんより使用許可をいただいております。 今回の特別編は、いつもの夏日記とは違います。 ちょっと怖い話になるので、ホラーが苦手な方は回れ右してください。 *** これは、何度目かの引っ越をした

          夏日記特別編『ゴムゴムの女』第一話 古い家

          『シンデレラ伯爵家の靴箱館』コミカライズスタートのお知らせと小説版裏話

          拙作『シンデレラ伯爵家の靴箱館』のコミカライズがスタートすることになった。 靴職人の主人公エデルと、シンデレラの末裔である貴族アランが、いわくつきの靴を回収していく、魔術と童話のお仕事ファンタジーである。 漫画版を手掛けてくださったのはしんき先生。ネームを拝見した時点で、あふれる熱意がビシビシ伝わってきて、おそらくシリーズ全巻を読まなくてはできない表現もしてくださっていた。タイトルにもなっている「靴箱館」に足を踏み入れたエデルが、靴箱で埋め尽くされるアンティークな館に圧倒さ

          『シンデレラ伯爵家の靴箱館』コミカライズスタートのお知らせと小説版裏話

          夏日記⑩ 謎解きとゲリラ豪雨

          親族の四十九日も終わり、無事に区切りよいところまできた。 父の経過も順調らしく、なんとか落ち着いたところである。 私も少しずつ外出していこう。そう思ったのだが、めちゃくちゃ暑いのである。息をするのも苦しいレベルの熱気。我が家の冷蔵庫は暑さのあまり一時ショートし、アイスクリームがホイップクリームのようになってしまった。この暑さは常軌を逸している。 通勤ならば観念するが、不要不急の外出は避けておこう。 そう思った私を待ち受けていたのは、涼しい時期に甘い見積もりで予約していた、

          夏日記⑩ 謎解きとゲリラ豪雨

          夏日記⑨ 誕生日とプレゼント

          先日誕生日を迎えた。 いつもなら、行きつけの喫茶店の店主にお願いし、ホールケーキを焼いていただくところなのだが、甘いものが大好きな父が入院してしまった為、今年は食べきれないだろうなということになった。 というわけで、ごく普通の平日として誕生日を過ごすことにした。 そもそも私はイベントを大事にするほうで、ひな祭りの日のランチはちらし寿司を食べるし、クリスマスには望まれていないのに家族にケーキを買ったりオードブルを用意したりしていた。 しかし、そういったイベントに振り回される

          夏日記⑨ 誕生日とプレゼント

          夏日記⑧ギャンブルと炊き込みご飯

          先週父が階段から落ち、わりと派手めに骨を折って入院した。 そういうわけで家が静かである。全治二か月らしいが、病院の方針で面会は一週間に一度と決まっており、どう過ごしているかは不明だ。 しかし、命に別条があるような怪我ではなく、本人も「俺のことは見捨ててくれて構わない……!」と悲劇のヒーローになりきって申していたため、とりあえず入院中はほどよく放置でよろしいであろうということになった。 家族よりも病院の方が、なにくれとなく面倒をみてくれるはずだ。 親族の葬儀も終わって間もな

          夏日記⑧ギャンブルと炊き込みご飯

          夏日記⑦ 推しと大福

          6月11日 親族に不幸があり、しばらく日記の更新ができなかった。というかなにも書く気分になれなかった。少し前まで元気で一緒にお酒を飲んだばかりだったのになぁ。五月の下旬からなんだかぼんやりしていた。 永遠に続くと思っていた「当たり前の時間」がふっと消えてしまった感じだ。永遠というのは間違いなく幻想なのだが、安定した時間を享受している間、人はそこから目を背けてしまうものである。 今、少しずつ回復してきている。幸いというかなんというか、投げたボールが各担当さんの手元にあり、私

          夏日記⑦ 推しと大福

          夏日記⑥ ルイボスティーと春にして君を離れ

          5月24日 先週の平日は色々と疲れた。 会社で思いもよらぬトラブルが発生し、対応に追われていたのだ。 詳しいことは書けないが、人間のずるいところや醜いところをいくつか拝むことができた。拝みたいと思ったことはないが。 こじれにこじれた結果、この件は収まるのに1週間かかり、結構な長丁場になってしまった。再燃してもおかしくはない状況であるが、とりあえずはまあ収まったと言ってもいいところまで持っていくことができた。どうかそのままお静かになさっていてほしい。 この1週間で一番辛

          夏日記⑥ ルイボスティーと春にして君を離れ

          夏日記⑤ミステリーと西武園ゆうえんち

          5月20日 西武園ゆうえんちに行ってきた。 少し前に昭和レトロ風に改装された、埼玉西部にある遊園地である。 うんと小さい頃、まだここがなんの変哲もない地方遊園地であったときに何度か来たことはあったが、リニューアルして「昭和コンセプト」になってからは初めての来園である。 連れ合いはいつもの鳥村さん。 私が「没入型ドラマティック・レストラン」の紹介記事を見つけたのがきっかけである。 遊園地内にある食堂列車がイマーシブ・シアターになるというのだ。 イマーシブってなんぞやという方

          夏日記⑤ミステリーと西武園ゆうえんち

          夏日記④ うどんとディズニーランド

          ディズニーランドに行ってきた。 数えてみれば、ほぼ13年ぶりである。 日頃からお世話になっているF氏が、フロリダ土産のミッキーの耳をくれたことがことの始まりである。 耳をもらっておいて、箪笥の中にしまっておくだけでは、あまりにも勿体ない。一度も装着されることなく、タンスにゴンゴンと添い寝である。 耳もこんな不当な扱いをされるとは想像だにしていなかっただろう。 不憫な耳を救うため、行こう、ディズニーランド。 と決意したはいいが、これだけ年数が経つと、ディズニーに行ってしたいこ

          夏日記④ うどんとディズニーランド