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かんたんマーケ講座⑧ リハは必ず3回
競合プレゼンなど、10名程度のチームメンバーで実施する大型プロジェクトのリハーサルは何回やればいいのでしょうか?
答えはずばり 「3回」です。
4週間かけてじっくり皆で練り上げたコンペの企画書、あとは本番を待つだけだ! できた~❤ ♫ と企画書を統合した時点でほっとしていませんか?
これ、間違いです。「常勝する広告代理店」は、ココからが本番と考えます。準備8割、本番2割と言われますが、正直言って、準備8割の「企画書の内容そのもの」にそう大差はないのです。大型コンペに招致される広告代理店の企画書作成能力に、そうそう差があるわけではありません。
特に上位2社は、まさに鼻先三寸の僅差の戦いとなります。本番2割の「リハーサルの量と質」にこそ、差が出るのです。これは、200本以上のコンペを繰り返して勝敗を分析した結果、明らかです。
リハーサルを十分にやらない事で、
台無しになるケースを数多く見てきました。
せっかく良い内容なのにまったく伝わらない、主張が首尾一貫していない、用語の使い方がバラバラ、戦略とアクションプランが繋がっていない、結論がない、クライアントからの質問に誰も答えられない、など
もったいない!!! あと一息だったのに・・・・・。
リハーサル1回目
大衝突事故です!!
予定していたデリバリー時間も大幅に長引き、話している内容もバラバラ、途中で止まったり、繋がりもなかったり、チーム感はまったくありません。溜息があちこちで聞こえます。「あ~全然ダメだ私」 「俺長すぎだ…」
リハーサル2回目
全体の中で、自分の役割をどう演じるか分かり始めます!!
プレゼンターから次のプレゼンターへの引継ぎもうまく流れ、デリバリー時間は大幅に短くなりました。用語統一や、メッセージの一貫性も図れて、何が言いたいのか(One Message)がわかるようになってきました。
リハーサル3回目
やっとひとつにまとまります!
プレゼンター同士が 「共通の言葉」をうまく使いながら、起承転結やストーリー性がうまく流れ出します。ドラマチックな演出も自然に見えてきました。ひとつの映画を見ているような形まで昇華出来れば完璧です。
さあ、プレゼンのリハーサルも万全。小道具の用意も準備万端。
クライアントから想定される質疑応答シミュレーションもしました。
あなた方は、意気揚々としてプレゼンルールに入ります。
ところが、聴衆であるクライアントにとっては、あなたの会社のプレゼンは3番目で、「同じ内容を聞き飽きたなぁ~」という状況かもしれません。
同じ日に、3つも4つもプレゼンを受ける側 「クライアント」にとっては、「4週間かけた成果の発表」 ではなく、 「忙しいのに1日に4つも聞かなきゃならないエージェンシーの3番目」 かもしれません。
お昼休み明けのコンペ順番にあたってしまったら(くじ運悪い営業が引くとこうなります)、さらに状況はひどいことでしょう。聞いているフリをしながらメール返信をしている聴衆が半分くらいいるかもしれません。
「最後にひとつしか聴衆(クライアント)の記憶に残らない」としたら、何を覚えておいて欲しいか。この代理店は〇〇を言っていたよね~という記憶に何を残すか。
プレゼンターは、One Teamでそれを繰り返し、繰り返し連呼しましょう。
それで、やって覚えてもらえるくらいのものなのです。
でも、それでいいのです。
それを徹底すれば、あなた達のチームは必ず勝ちます。