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かんたんマーケ講座⑭ 勝ちはみんなのお陰、負けは俺のせい
コンペ終了後、クライアントから1本の電話が鳴ります。
(最近ではメールでの通知も多いですが)
勝負の幕引きが終わったその瞬間、
勝利した代理店は歓喜に社内中が沸き、敗退した代理店はひそひそ…。
「どうやら負けたらしい…」という噂で1週間後に他の社員が知るというケース、実は多いのではないでしょうか?
誰でも「勝利」は誇らしいし、「敗退」は惨めな気持ちになります。が、
“過去は忘れる” と共に、“過去をきちんと記録する” ことも大切です。
むしろ、敗退した時ほど “過去をきちんと記録する” ことが重要。
逆に言えば、過去から学ばない代理店は、勝利し続けることは出来ない、とも言えるでしょう。
クライアントは、コンペ結果のフィードバックにおいて、
①敗退した代理店には、丁重に、“敗因(振り返り)” を説明します。
②勝利した代理店には、勝因よりも “これから(未来)” を説明します。
クライアントにとって、コンペは既に過去の出来事になっているものです。敗退した代理店に気を配りながらも、勝利したパートナー代理店との “これから” に照準を置いています。
代理店サイドからみても、これからつきあう彼女に、「俺のイイとこってドコ? 言って!教えて!」なんてヤボなことは、なかなか聞けませんよね。
ですから、コンペの「勝因・敗因、勝利した代理店の理由」を詳細に聞けるのは、「敗退した時」こそなのです。
結果に一喜一憂して、「勝負は時の運だからさ~」 「仕方ないよ。次頑張ろう~」 「なんかのついでに聞いておくよ」 これダメです。
コンペの敗因ヒアリングは、絶対に聞きにいくべき。複数人で聞き、録音は必ず録りましょう。何を聞くか?
①コンペの結果 ②評価の決め手 ③勝者と敗者の違い(勝利した代理店は何をしたか) ③評価基準は? 期待していたものは? ④個別提案の評価 ⑤今後 など
これらを「ヒアリングシート」に記載して、チームメンバーと共に “振り返り” をすることです。「あのとき、こうすれば良かった」 「今後はこうしたらどうか」 こういったことをしっかりと話し合える会社は強いです。勝利し続けるでしょう。
過去から学ぶ者にこそ、未来は訪れます。近い将来、同じクライアントからコンペ打診は必ずやってきます。そのとき、“振り返り” の記録は大きな援護射撃になるはずです。これは真実です。
そして、最前線にいるコンペキャプテンは、振り返りの最後にこう言い切る覚悟が必要です。
勝ったときは
「皆の一人一人のおかげで勝利が出来た。ありがとう」
負けたときは
「敗因は、自分のせいだと思う。すまない」