将来ラプンツェルになりたいあなたへ

私の娘は、3〜5歳ころ将来の夢は「ラプンツェル」だった。
6歳になった今は「アイドル」「ペンギンの飼育員」他にもいろいろあったけど振れ幅がすごい。

ラプンツェルに憧れているのは、着ているお洋服が薄紫色で、娘の好きな色にドンピシャだからだろうけど、何故か小さなプリンセスソフィアにはどハマりしないところを見ると、理由はそれだけではなさそう。
あの綺麗な長い髪も、ラプンツェルに憧れる所以かもしれない。

七夕だって、4歳のときは「こわいゆめを見ませんように」って書いた娘。
5歳では「髪の毛がのばしたい」と短冊に書いた。

「長い髪」に憧れこだわる理由は明確にはわからないけれど、そんな娘に、大きくなったら一度試してほしいことがある。

「ヘアドネーション」

大切にしている髪を、無理に切る必要はないの。
いつかバッサリ切ってサッパリしたくなる日が来たら、そのときは是非ドネーションしてほしい。

お母さんは、抗がん剤治療で髪が全部抜け落ちる経験をしたけれど、そのときは人毛ミックスのウィッグに助けられました。
最初は自分の髪じゃないことがすぐにバレるんじゃないかとおびえて外出するのも抵抗があったけど。
慣れてくれば、なくてはならない必需品に。

当たり前だけど、ケモが終わってすぐに前と同じ髪質で前と同じ長さで髪が生えてくるわけじゃなくて、生えてくるときはウネウネするし伸びるのに時間だってかかる。
外出の時は、自分のためというよりは周囲の人がギョッとしないためにウィッグが年単位で必要だった。

ケモで髪が抜けるのは一瞬でごっそり、でも生えてくるのは長い年月をかけて。
当然のことなんだけど、実際に髪をすべて失うとこのしんどさに気づく。

あなたが長い髪に憧れてのばしてのばして大切にしてきた髪も、決して1日でロングヘアになったわけではないね。

いつか、「髪を乾かすのが面倒になった」とか「イメチェンしたい」みたいな日がきたら、そのときは、あなた自身が不要に感じたあなたの綺麗な髪が、闘病中の誰かの役に立てるかもしれない。

実はお母さんも元気な時にヘアドネーションをしてみたことがあるんだ。
お母さんの大切なお友だちが、お母さんより先にがんが見つかった時、絶対元気になってほしいと願いを込めて、私の髪が誰かの役に立てるならと、そのときはロングだったのでバッサリと切ったんだ。

ロングだと思って切った髪は30cmだった。
でも、ウィッグにすると、それはショートヘアになるんだよね。
しかも、ひとつのウィッグを作るのに、1人のドネーションの毛量では足りないから何人ものドネーションに支えられているはずだと思うの。

何回も書くけど、あなた自身が髪が大切に感じているときは、自分のために髪を伸ばして欲しい。
切りたくなったときには、是非ドネーションしてね。

pay it forwardってお母さん大好きだけど、髪に関してはお母さんは誰かにプレゼントできる日はとても遠いから。

一度でいいから挑戦してみてね。

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