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ミニトマトを育てる

 ミニトマトは儲かるらしいというネット記事を見て、ミニトマトを育て始めた。
プランターと苗と野菜の土、トマトの肥料を購入し、適当に植えたらぐんぐん育った。
雨に当たると実が割れるらしいので、ネットで安いビニール温室を購入、トマトはますますぐんぐん育った。
液体肥料が良いらしいと聞いて、2週間に1回やるようにした。
「あれだね、育ってくれるとうれしいね。」
赤いフルーツトマトと黄色のフルーツトマト、中玉トマト。たわわに実をつけながら、あっという間にビニール温室の天井に届いてしまった。
だが、肝心のトマトがなかなか色付かない。緑のまま。
うーん…
「ミニトマト売って、今の月収超えたら仕事辞めようと思ってたんだけど」
そう夫に言うと、
「たかだか苗3本でそんな儲かるわけない。農業なめんな。会社行け」
実家が元農家の旦那が笑う。
 それから1週間ほどして、やっと色付き始めた。
夫と1個ずつ取って、さらっと水で洗って食べた。
トマトは思ったよりまだ少し硬くて、それほど甘くなかった。
「どお?仕事辞めれそう?」夫が笑う。
「もう少しかかりそうだね」私も笑う。
いやいや、侮るなかれ。これが、ここがもしかしたら物語のスタート地点かもしれないんだから。なんだか楽しいよね。


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