琥珀 死んだ虎の魂の化石
アンバーは、絶滅した針葉樹林の樹脂が数千万年かけて化石化したもの。
実際の鉱物ではないが、地中から採取されるため便宜上鉱物として取り扱われている。
何千年もかけて木の樹液と共に、植物のみならず、ときには昆虫などの有機物が混入している。
一つのアンバーになるまでに、どんな歴史が生まれているのか・・・
太古のロマンと夢が閉じ込められたような、神秘に溢れた宝石と言える。
古代中国の漢の時代に書かれた書物には、こう書かれている。
「虎死して、則ち精魂地に入りて石と為る、それすなわち琥珀なり。」
“琥珀は、死んだ虎の魂が石になったもの”
勇敢な動物が死ぬとその魂が地中に入って琥珀になったという伝説がある。
自分自身を動物に例えるならなんだと思う?
生まれ変わるなら、何の動物になりたい?
私はたぶん、虎・・・少なくともネコ科の動物。この琥珀色の瞳に愛着を感じ、内に秘めた強さに安心感を抱き、獲物を狙う闘志に胸が熱くなる。
個性心理学で”あなたは悠然とした虎です。”といわれたとき、嬉しかった。
だから、いつも虎柄の洋服を選んでしまうのかもしれない・・・。
ネコ科の動物、特に虎が好きな人、個性心理学で虎の人は、是非とも琥珀と縁を繋いでもらいたい。
琥珀には、不安、恐怖心、絶望感を追い払い、生きる喜びを与える力がある。虎が、なんの恐怖心も抱かずに獲物に突進するかのごとく。
虎が獲物を狙う時の目、直観力、集中力、霊性、神秘の力、このエネルギーも琥珀は持ち合わせている。
邪気を祓い、悪霊を祓い、金運を招くために、虎の絵を玄関に飾ると良いらしい。琥珀は悪霊や災い、病気から守ってくれる石だ。
昔から胃が弱く、気管支の持病がある私にとって、アンバーは救いの石。 肉体的なエネルギーを知る前から、なぜかアンバーには強く惹かれていた。そうと知ってからは、益々必要性を感じている。
喉に良いアンバーなだけに、ネックレスとして胸元に着けるのは理想的。
しかし、アンバーと繋がる前には、ちょっとしたストーリーがある。
今から23年以上前、愛する人と初めて英国の地を訪れた時、とある田舎のジュエリーショップで、それはそれは大きなアンバーのネックレスを見つけた。右手のこぶし大くらいの大きさはある琥珀だ。その頃は石のこともまったく知らず、琥珀など何の興味もなかった。それなのに、なぜだかその大きな琥珀の中にいる何かが、私を呼んでいるかのような感じだった。
(着けて見なよ)という彼の言葉に誘われて、値段も聞かないままショーウインドウから出してもらう。ところが、私が受け取る前にその琥珀は、つるんと店員さんの手を離れて、コトンと床に落ちた・・・
パカーンと見事に真っ二つに割れた。
私のミスではないので弁償の必要は無かったが、それよりなにより、あまりにもショックで。
呼ばれたのに拒否された、
もしくは何者かに邪魔された、
お前のところに行くくらいなら潔く、
ずっと長い間、気に入った琥珀と縁が繋がらなかったことを悔しく思っていた。
しかし、この”琥珀は死んだ虎の魂”と知ってからは、
(ああ、きっとあの虎の魂は琥珀から解放されたかったのかな。)なんて思うようになった。
石は不思議
そして、やはり琥珀は虎と同様に愛らしい。
静電気を帯びる帯電効果があることから良い気を引き付けるので、ときどき手で擦って欲しい。優しく、虎や猫を撫でるように・・・