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All these dramas

Girls=Dramas


「ドラマ」という言葉は日本のママたちの口からもよく出るかもしれないが、アメリカのママの口からもよく出てくる。
日本での使われ方とは違って、下記のような使い方だ。大抵、娘を持つママたちが使う。
”Yeah, the drama, again"
"Honey, you don't have to be that dramatic"
"In your class too? Oh gosh, all these dramas"

何事も大げさに受け止めたり表現したりしがちな、女子特有のドラマティックな有様全てをひっくるめた言葉だ。

女性は感情的だとか、過去の話を脈絡なく引っ張り出してくるとか、お喋りが好きだとか、色々と世界共通のぼんやりとした認識はあるだろうが、この、英語の"Drama"は女の子とセットで落とし込むのにとても便利な概念だと私は思う。

ちなみに、男の子ママの間でよく使われるフレーズは"Let them burn their energy"。
とにかく体力発散させないとね、という意味。

どんなに娘が辛そうでも女の子としてよくありがちな"Drama"に入り込んでいるだけ、と認識すれば、母親としても一通り娘がそれを通過していくのを見守ろうと思えるし、自分自身も何か世界の小さな浮き沈みに揺られそうになった時に、”It's just a drama”だと思えたら、客観視して冷静になれそうだ。
ああ、そりゃ当然、女の子だから何事も大げさにドラマティックに捉えるのよ、という態度で。

日本語の「もったいない」が厳密には英訳できないというのは有名な話かもしれないが、言葉によって生み出される概念がものの見方を整理してくれることがある。
この、単純にGirl=Dramaという概念を認識するだけで、行われなくて済む夫婦喧嘩や女子の友人トラブルがあるかもしれない。

ランチタイムと非合理な揺れ


アメリカのランチタイムでは小学生から中学、高校生も基本的には席が決まっていることがなく、自由に座って食べる。
自由だからこそ、Dramaの温床にもなるのがランチタイムだ。
新学期には母親たちは「誰とランチ食べたの?」と聞くことで、子がどんなDramaを通過しているのかを知る。

大袈裟で過剰で無意味で有害な、そんなDramaでいっぱいな女子の心はきっとChatGPTに聞いて晴れるものではない。
だって合理的じゃなくて、理由と結果に因果関係がないようなことで収集がつかなくなっているのだから。

ランチも食べられないほどDramaで揺れ動く心はしかし、歳を取った今だからわかるが、期間限定だ。
女子、と書いてきたが、もちろん男子に起こることだってある。私の息子たちだって多少なりともDramaに巻き込まれている。
そんな多感な、その時期特有の感度の高い心を持っている限り、国籍にも住む場所にも関わらず人の心を襲う数々の語られないDrama。

It's just a drama. そう言い聞かせながら、自分のも他人のも、その非合理な心の揺れを抱きしめたい。

Makiko




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