「ワルツの革命」アーノンクール
衒学的指揮者アーノンクールがウィーンにおける舞曲の展開を徹底的に追ったアルバム。対象は「始祖」モーツァルト、ヨハン・シュトラウスⅠ世とそのライバル、ヨーゼフ・ランナー。可能な限り自筆譜や初版譜などを使用し、作曲者が指定した楽器を用いることによって、後世の編曲で覆い隠されていた部分が明瞭になり「革命的」演奏となった。ワルツやポルカが単なる娯楽的作品ではなく、文化史的にも、音楽学的にも重要な意味合いを持つのだ。「ワルツは19世紀のヨーロッパ社会の進化を映す鏡である」(アーノンクール)。例えば有名な「ラデツキー行進曲」は初稿版で演奏されており、これは2001年のニューイヤー・コンサート冒頭でいきなり披露され、聴衆を驚かせた。
ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
【CD1】
●モーツァルト
・コントルダンス K.603~第1曲
・コントルダンス K.609~第1曲(もう飛ぶまいぞこの蝶々)
・コントルダンス K.609~第4曲
・6つのドイツ舞曲 K.571
●ヨハン・シュトラウスⅠ世
・ラデツキー行進曲(原典版)
・ケッテンブリュッケ・ワルツ第1番 op.4
・羊飼いのカドリーユ op.217
・「パリの謝肉祭」ギャロップ op.100
・パガニーニ風ワルツ op.11
【CD2】
●ヨーゼフ・ランナー
・サヴェリオ・メルカダンテによるパ・ド・ヌフ
・憧れのマズルカ op.89
・ハンス・イェーゲル・ポルカ op.194
・マラプー・ギャロップ op.148a
・ワルツ「魔女のダンス」 op.203
・バレエ「コルゾ・ドナーティ」~行進曲
・チェリート・ポルカ op.189
・狩りのギャロップ op.82
・ワルツ「シェーンブルンの人々」 op.200
録音時期:2011年6月1-6日ライブ
録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール