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【禁断の話題🤯】 オーダースーツが指示通りの寸法に仕上がらないことってあるの?
オーダースーツの寸法について大切なお話
本日は、あまりお伝えしたくない内容ですが、とても重要な「仕上がり寸法」についてお話しさせていただきます。
オーダースーツをご注文いただいた後、商品が工場から納品されると、私たちのお店では必ず【検品・検寸】を行います。
検品と検寸について
検品
縫製の不良がないか、デザインが指示通りに仕上がっているかを確認します。検寸
指示通りの寸法で商品が仕上がっているかを確認します。
工場でも同様のチェックは行われていますが、プロの集団であってもミスは起こり得るものです。万が一の事態に備え、お店側で再度チェックを行うことで問題があった場合に早急に対応できるようにしています。
最悪のケースとして、お客様が納品後に気づく、または着用予定の日に初めて試着し、「えっ?」と困ってしまう事態は絶対に避けたいと考えています。
検寸の具体的な項目と許容範囲
検寸では、以下の項目について確認を行います。
例えば、スーツ上下の場合:
ジャケット:着丈、肩幅、袖丈(左右)、身幅
スラックス:総丈、股下、渡り幅、膝幅、裾幅
それぞれに許容範囲が設定されています。
例)±0.5cm、±1cmなど
これらの許容範囲内に収まっているかを確認し、範囲を超えている場合は工場に戻し、再調整を依頼します。ただし、同じサイズでオーダーした場合でも、仕上がりに微妙な差が出るケースもあります。
許容範囲内でも発生する微妙なズレ
例えば、2着同時にオーダーした場合:
1着目の裾が許容範囲ギリギリで長め
2着目の裾が許容範囲ギリギリで短め
この場合、寸法上は問題がないとしても、1cm~2cmの差が出てしまうことがあります。
対応力が試される場面
こうしたケースが発生した場合、対応はお店やブランドによって異なります。以下のような対応が考えられます:
お客様に一度試着していただき、ご確認いただく
工場に修正を依頼する
お店負担で修理店にて微調整を行う
また、検寸では寸法上は合っている場合でも、後日お客様から「以前と同じサイズでオーダーしたのに、ウエストが窮屈に感じる」といったお声をいただくこともあります。
着用感は数字だけでは語れない
こうした場合、お客様に商品をお持ちいただき、その場で寸法を測り直しても数値通り、ということも少なくありません。この原因として、以前のスーツのウエストが着用によって伸びている場合も考えられます。
私の経験上、最終的に大切なのは「お客様の感じていること」を素直に受け止めることだと感じています。寸法や数値だけでは判断できない、着用者にしか分からない違和感を尊重し、対応することが重要です。
オーダースーツは細部までこだわった特別な一着ですが、製作工程や個人差によって微妙な誤差が生じる場合があります。私たちは、こうした細かな点にも誠実に対応し、お客様に心から満足していただける一着をお届けできるよう努めています。