ここが限界！？スーツのサイズ調整で知っておきたいポイント
夏が終わり、秋の気配を感じる季節が近づいてきました。そろそろクローゼットの奥からスーツを取り出すタイミングですが、「久しぶりにスーツを着るけど、サイズが合わなくなってないかな？」と心配になる方も多いのではないでしょうか？ 体型の変化は、誰にでもあるもの。でも、新しいスーツを買い直すのはなかなか大変ですよね。そんなときに活用したいのが、サイズ調整です。今回は、体型変化のケースだけではなく、ネット通販で購入したのは良いけど、サイズが合っていない？？と感じるケースも踏まえてスーツのサイズ調整の限界値と調整箇所について詳しく解説していきます。
※過去にサイズ調整していない状態での目安の寸法です。実際にはプロに現物を見てもらって確認してください。
【ジャケット】
・バスト
詰め：元のサイズにもよりますが最大で大体8㎝～10㎝程お詰め出来ます。
出し：縫い代が残されていない為不可。出せたとしても全体で1㎝も出ない場合が多いです。
・ウエスト
詰め：元のサイズにもよりますが最大で大体8㎝～10㎝程お詰め出来ます。
出し：縫い代が残されていない為不可。出せたとしても全体で1㎝も出ない場合が多いです。
・ヒップ
詰め：ベントのデザインにもよりますが最大で大体8㎝～10㎝程お詰め出来ます。
出し：縫い代が残されていない為不可。
・肩幅
詰め：最大で約2cmまで詰めることが可能。
出し：縫い代が残されていない為不可。
・着丈
詰め:フロントボタンや腰ポケットの位置が決まっている為、極端に丈を詰めると見た目のバランスが悪くなります。最大でも3.4cm程度の詰めがおすすめ。
出し:縫い代が残されていない為不可。
・袖丈
詰め：袖口が本開き仕様で穴が開いている場合は、袖先では調整できない為、肩から袖丈を詰めます。（チェック柄の場合、柄が合わなくなります）寸法は最大でも大体4㎝くらい。（元の袖の太さにもよります）
出し：袖口のデザインにもよりますが1.5㎝程度であれば袖口で出せる事が多いです。
・袖の太さ
詰め：幅で2㎝前後でしたら自然にお詰め出来ます。
出し：縫い代が残されていない為不可。
【スラックス】
・ウエスト
詰め：最大値は後ろの左右ポケットの距離が関係しますが一般的に8㎝程でしたらお詰め出来ます。極端に15㎝以上とかの場合は三方（さんぽう）詰めという方法で脇でも詰めますが、費用が高くなります。
出し：縫い代次第ですが、大体5㎝程でしたら出せます。
・お尻回り
詰め：4㎝程であれば自然にお詰めする事が可能です。お尻回りはウエストの出し詰めと一緒に行う事で自然な仕上がりになります。
出し：最大で約3,4cmまで出すことが可能。
・太もも（渡り巾）
詰め：巾で計測して大体約4cmまで詰めることが可能。
出し：最大で巾で計測して約1.5cmまで出すことが可能（縫い代の余裕による）。
・膝
詰め：巾で計測して大体約4cmまで詰めることが可能。
出し：最大で巾で計測して約1.5cmまで出すことが可能（縫い代の余裕による）。
・裾幅
詰め：巾で計測して大体約4cmまで詰めることが可能
出し：最大で巾で計測して約1.5cmまで出すことが可能（縫い代の余裕による）。
・股下
詰め：元々膝の位置が決まっているのでバランスが悪くなる場合がありますが寸法は割と自由に設定可能です。
出し：シングルとダブルでも変わりますがシングルの場合、大体5,6㎝程。剥ぎ出し等の方法もあります。ダブルの場合はシングルにデザイン変更をすれば大体5,6㎝程は出せます。ダブルのデザインを残す場合、偽のダブルを作るなどの方法もありますので要相談となります。
【ベスト】
・身幅
詰め：最大で約8,10cmまで詰めることが可能。
出し：縫い代次第ですが残されていない場合が多いです。残されていても全体で1㎝程かと。バランスが崩れますがフロントのボタンの位置をずらしてもゆとりが出ます。裏地をすべて作り変える方法もありますが費用が高いのと同じ裏地が用意できない場合は別の柄の裏地を使用する事になります。
・丈
詰め：肩をツマムような方法で丈詰め可能。最大でも3,4ｃｍ程かと。
出し：縫い代が残されていない為不可。
スーツのサイズ調整は、縫製工場によって縫い代の分量や仕様が異なるため、一概に寸法をお伝えすることは難しい部分があります。体型の変化などでサイズ感が合わなくなった際は、ぜひ購入したお店にご相談ください。専門のアドバイスを受けながら適切な調整をすることで、より長くスーツを美しく着こなすことができます。無理に窮屈なままで着続けてしまうと、スーツ自体にテンションがかかり、生地や縫製が傷む原因にもなりかねません。大切な一着だからこそ、フィット感にこだわり、快適な着心地で長く愛用していきましょう。