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ノコプロジェクトのノコは、十分ですの意味

本日20:00~オンライントークセッション「ノコチームのビヨンド・コロナ」をYou Tubeでライブ配信します。配信URLはこちら。番組登録してもらえるとスムーズにチャット参加していただけると思います。https://www.youtube.com/watch?v=W1F_6lg1Cdo

ノコチームとは、ノコプロジェクトにコミットしている人たちのユルい集まりのチーム名です。

ノコプロジェクトとは、これまでこの記事で紹介してきたインド先住民ワルリ族の村で家を建ててみることから始めた持続可能なコミュニティ作りを目指すプロジェクトのこと。スタートは2015年です。

建てた家の様子など、詳しくは、こちらをご覧ください。http://wallartproject.net/special/noco-project/

で、ノコとは何かという本題です。

ノコは、ワルリ族の言葉で「もう十分です」という意味。

なぜ、このプロジェクトが生まれたのか?

それは、私たちが、ワルリ画家を日本に招き、日本の学校を舞台にウォールアートフェスティバルを開催した2013年に遡ります。ワルリ画家、ラジェーシュさんは、栃木県、さくら市穂積地区で田中家にホームステイをさせていただきました。朝昼晩と日本食を食べ、毎晩お風呂につかり、朝8時から夕方6時までほぼ一ヶ月間、廃校となった教室を舞台に絵を描き続けました。(一番大変だったのは田中さんの奥様ですね)。その時の作品は旧穂積小学校の2階にまだきれいに残っています。

写真の絵は、廊下の壁に、穂積地区の皆さんと一緒にワルリ画を描くワークショップで完成させた「エクタ(ひとつ)」という絵です。ワルリ語のエクタは、Uniteの意味で、いまの私たちにもっとも必要な言葉のようにも思えます。

ワルリの人々の見通すの目の鋭さ。私たちノコチームは、ワルリ族と付き合えば付き合うほど感じ入ってきました。

さくら市でのウォールアートフェスティバルが終わり、帰国を前にしたラジェーシュさんを囲んで、東京でミーティングをしました。その時に同席したのが、プロジェクトを一緒にやってきたおかずくんこと浜尾和徳くんと、今日のトークセッションで登壇する空間デザイナーの夏目知道さん、酒匂克之さんでした。私たちは、交流の証として、ワルリの村に何かもたらすことができるものはないか、と考えていました。日本の知恵でできることはないか、と。そして、「一ヶ月暮らしてみて、何か日本から持ち帰りたいものはありますか? ワルリの村にもあったらいいな、というものは何ですか?」と問いました。

ラジェーシュさんは言いました。「何もありません」。

え? と思いました。蛇口をひねればお湯がでるお風呂。ボタンひとつで水洗できるトイレ・・・。小さな物でもいい、一つくらいないのだろうか?

「はい、何もないです」と。

そのキッパリに感服しました。この精神に私たちが学ばなければいけない、そう感じて、その時、「ノコプロジェクト」の小さな芽が生まれたのでした。

日本にも「足るを知る」という言葉があります。「知足」という禅語です。

もう十分です、足りています、という背後には、身の回りの暮らし、身の丈で満足するという意味があるそうです。つまり、“隣の芝生”は青く見えるけれど、羨ましがらない、という意味が含まれているそうです。

今日はノコプロジェクトの起源のお話。今夜のオンライントークセッションでも少しこのことを紹介しようと思っています。





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