ナタリーが見つめるから。 ~ 映画 ブラックスワン ~

ツタヤから「更新(1年)するならDVD・CDどちらか旧作を1枚無料で貸すよ!」といったハガキが届きました。

そりゃあ耳寄りなお知らせですねぇと、いそいそと出向きました。

去年、どうしても見たかった「ヘルレイザー」と「震える舌」と「ラスト・エンペラー」を借りて以来で、立ち寄りはしますが借りるに至らず。

書き出すとステキなラインナップ。

溥儀の人生をネットで調べていて夢中で色々と読み込む内に、映画も見るべし!と勇んで借りたのですが、史実とあまりにもかけ離れた内容に驚きました。物凄くスケールの大きい映画でしたので、「映画だからね」ってことで納得しましたが。


今回は「ブラックスワン」と「カメラを止めるな!」を今更?なんて言葉が頭を掠めつつ借りて来ました。1本タダだし。

「ブラックスワン」は「ヘルレイザー」を借りるか借りないかホラーコーナーでパッケージを持ってモジモジしている時に、真横のコーナーからパッケージのナタリー・ポートマンがジっとこちらを見つめていたことが気にかかっていました。

クラシックバレエが主体だから映像は美しいに決まっていますし、当時の映画賞を総ナメだったことも思い出し、そして何といってもナタリーが誘っているので、元々借りようと思っていた「カメ止め」と一緒に借りて帰りました。


物凄く久しぶりにコンセントを入れたテレビとPS4。

PS4の操作をすっかり忘れていて、どうでも良いCMを飛ばせずコントローラーをカチャカチャしているとうっかり本編のチャプターが進みそうな始末であわあわ。

どうにかこうにか本編スタートを発見して、ポチリ。


ナタリー・ポートマンは「レオン」以外に出演作を見ていなかったので、「まあ、こんなに大人に、綺麗になって」と「泣き虫愛ちゃん(卓球)」を見る気分に。

上映当時に多分CMがバンバン流れていたと思いますが、ストーリーもあらすじも思い出せず。しかし見始めてすぐに「精神世界もの」なんだろうなぁと感じさせる雰囲気。


母親との確執、主役を巡るダンサー同士の確執、新旧スター交代劇、ナタリー本人の様々な問題など、日常的に置き替えたら起こるべくして起こりそうな出来事がてんこ盛り。

真面目過ぎて自分を追い込み、人に悩みや困りごとを話すことが出来ないタイプが陥りそうなストーリー展開に「あんまりしょい込まなくて良いのですよ!!」と声を掛けたくなります。

合わせるように視覚的に自分が弱いトライポフォビアも加速します。

あれよあれよの展開でしたが、ひとりで鑑賞しているので「うぅ」とか「おほぅ」と声を漏らしても安心。

そして、気持ちが弱っている時には涙が出そうなラストシーン。

自分は金田一耕助シリーズの「悪魔の手毬唄」と「病院坂の首縊りの家」を見ると必ず号泣してしまいます。こちらはどうにもならない宿命や運命に抗えない人間の思い詰めた行く末ですが、「自分で自分を連れて行くしかなかった」に何となく近いものを感じて、また見る機会があったら、ハンカチーフを握り締め、瞼に当てっぱなしな予感がします。ブックオフでDVDを見かけたら買ってしまうかも。

借りて大正解の、あっという間に見終わってしまう素晴らしい作品でした。


自分はここ数年でライブや舞台を見る楽しみを覚えましたが、映画もやっぱり楽しいですね。傑作と呼ばれる映画は賛否があって「否」が多かったとしても、自分で見て「ああ、こういうものか!」のどちらかの着地、またはどちらにも着地しなくても「自分で見る」ってことが大事ですね。

「カメラを止めるな!」、見るのが楽しみです。



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