標準技術と特許

最近技術標準の話題を聞くことが増えてきた。

そこで出てくるのは、中国。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61905270U0A720C2MM8000/

「標準業界」でも、中国が世界戦略を進めている。

そこで振り返って特許出願を俯瞰してみると、中国の出願戦略。

ある技術に注目してランドスケープを策定・分析するよう依頼されることがあるが、中国が異常な数で類似技術を積極的に出願していることを見出すことがある。最初は、ごみ特許が粗製乱造されている現象かと思っていた。しかし、そうではないようである。

最近、標準化があまり目立っていなかった分野が、技術標準になりつつある。当方も、10件単位で出願戦略を依頼されることがあった。ある製品の技術を網羅的に包括取得した上で、標準化される技術において優位に戦略を進めよう、というものである。

いままでなら、1出願にまとめる方向で、実施例の相違程度の違いに仕立て上げようという方向で考えることの多かったものであるが、インタビューを重ねるにしたがって、各々が異なる発明としてとらえることもでき、数十、数百の特許権が成立しうる状況を創る、ということで方針を立てて、戦略的に短期間に出願をするということになった。

粗製乱造と思っていた公開公報を再度並べてみると、現時点ではもちろん技術標準が存在しない分野ではあるものの、共通点や、それぞれの特許がカバーしようとする製品を想定すると何らかの標準がありうると想定できるものである。

技術標準が、国際標準として中国に支配されたうえに、その技術標準が中国の標準特許で網羅されてしまうと、どうなるか。。。恐ろしいことを創造してしまった局面である。

そんな中、昨日あるセミナーでゲノムバンクのトップの方と話をする機会があったが、データや知財はみんなのためにとおっしゃられており、当方がしびれを切らしてそれだと危険ですと申し上げたところ、中国リスクの認識はあまりなかったようであった。危機感が低く、当方が危機感を持ってしまった。

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