保険点数の戦略も知財戦略
昨日AIPPIのPanel Sessionで感染症薬の開発におけるインセンティブ維持についての議論を行った。その中で、当方のプレゼンでは、通常の知財、特許、特許延長、データ保護(再審査)に加えて、保険収載、そして、その保険収載の仕方自体も戦略であることを紹介した。他のパネルストからの紹介で欧米カナダの資料があったが、カナダの制度が興味深かったが、お国が決めるという感じで戦略が感じられなかった。
上記の理由として、欧州の知財戦略家は特許弁護士または弁理士であり、特許法をはじめとした古典的知財法を勉強してきたに過ぎない点が挙げられる。保険収載戦略自体が知財戦略であるとの主張には聴衆からの反応があったものの、やはり実務家で対応している者自体がまだまだという感覚がある。
医療機器についていえば、A1,A2A3,B1,B2,B3およびC1,C2といった区分があり、C2でどれくらいとれるかと臨床試験でどの程度エビデンスをとれるかという戦略があり、C2時自体も最初A区分での申請後C2チャレンジといった戦略もありうる。これらは、特許実務しかしていないとなかなかピンとこないが、実際のビジネスを考えると非常に重要である。これらを考えると、総合的な知財戦略を提案するには、多岐にわたる配慮が必要だと思われる。奥が深い分野であるとつくづく思う。