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「話したいこと」と「聴いてほしいこと」の違いを知ろう。コーチングを受ける時に必ず助けになるから。

コーチである私自身も、契約しているマイコーチから継続コーチングを受けています。今週、月イチのセッションを前にして「今月、自分は何を話したいんだろう」と何気なく思っていたところ、ふと「話したいこと」と「聴いてほしいこと」の違いを考える時間を持ちました。

コーチングを受ける上で、この違いを認識することが大事だと思ったので、コーチングを受ける方への助けになってほしいと願い、綴ります。この記事はやがて自分のリソースになる気がします。また、読んでくださったコーチさんの何かの触媒になることも願っています。

※この記事内では、「コーチングを受ける方」を「クライアント」と表現します。


セッションの冒頭で、コーチとしての私が訊くこと

コーチングセッションが始まると、コーチとしての私は、セッションの時間全体に責任を持ちます。クライアントが自分自身にぐっと矢印を向けられるよう、その場をホールドする責任。

それを意図して、セッションが始まると、簡単な挨拶やチェックインをしてから、コーチとしての私が大半のケースで最初に訊くのは。

◯◯さんは、今日、何について話したいですか。

この言葉を、本当に何気なく使っていました。まるで、朝起きて「おはよう」と言うように。

おそらくこれまで、「何について聴いてほしいですか」とは言っていないし、もし、その一言からセッションを始めるとしたら、私は猛烈に違和感を覚えます。その違和感は、朝起きて「おやすみなさい」と言うのに近い。(二度寝しない前提で)

しかし、この当たり前と違和感は、コーチだからこそ感じるものなのかもしれません

これまで、「コーチングの体験セッションを受けたいです」との声を多く頂いた中で、継続コーチングに至らなかった事例がいくつもあります。思い返すと、体験セッションで「何について話したいですか」と訊いても、ピンとこない方が多かったように思います。

コーチとクライアントは、セッションをどう捉えているのか。もしかしたら、コーチが「クライアントが話したいことを話す場」と認識する一方、クライアントが「聴いてほしいことを聴いてもらえる場」と認識しているとしたら、ボタンの掛け違いを感じます。

互いにハッピーじゃない気がするし、クライアントの人生の時間がもったいない。


まず、コーチングとは、何なのか。

そもそも、コーチングとは何なのか。おそらく、一生かけても語り尽くせないと思う中、コーチング・バイブルにあるこの言葉が光ってみえます。

人がコーチングを求め、受けたりするのは、人生の中で何かを変えたいと願い、何か達成したい目標があったりするからです。

コーチング・バイブル 第4版 p.28

変えたいという願い、達成したい目標。

クライアントの中に、何かモヤついている気持ちがあるとしましょう。それを声を通じて身体の外に出して、まるで毒素を排出するしてスッキリするだけの場ではないのです。それで事足りるなら、コーチにお金を払わずとも、ゴミ箱に向かって吐き出せばいい。本当に真面目にそう思います。

「聴いてほしいこと」は、セッションの入口としては成立するかもしれません。しかし、クライアントご本人の日常の行動につなげてほしいと願っているからこそ、「聴いてほしいこと」だけで終わってほしくないのです。

クライアントにとっての本当のコーチングは、セッションが終わり、コーチから離れた瞬間に始まると思うのです。


コーチの責任、クライアントの責任

コーチとしての私は、クライアントの大切な話を、大切に聴きます。私はコーチとして、世界の誰にも話せないような話も、コーチには話してもらいたいと願っています。だからこそ、国際コーチング連盟の厳格な倫理規定を、私は遵守します。クライアントへの誓いとともに、自分への誓いです。

一方で、クライアントにも責任があります。国際コーチング連盟がコーチに求める能力水準「コア・コンピテンシー」にある文言を引いてみると。

クライアント自身に選択の責任があることを認識している
Acknowledges that clients are responsible for their own choices

ICFコア・コンピテンシーより

ここで謳われているのが「クライアントの責任」です。

セッションで決意した行動を、やるのか、やらないのか。マイコーチとのコーチングを続けるのか、止めるのか。それはクライアントの責任であり、意思だと思います。

コーチである私は、確かに傾聴という技術を使います。しかしそれは、単に愚痴や不満を受け止めるために使うものではない。大切な話に垣間見える本当の気持ちを聴くために使いたいのです。たとえ愚痴や不満がセッションの入口や過程だったとしても、意識と行動の変化につながってほしい。


話したいことを考える、その瞬間からコーチングは始まっている

長々と書きすぎました。そろそろ閉じたいと思いますが、最後にこれだけは伝えさせてください。

それは、「話したいことを考える時から、コーチングは始まっている」ということです。

自分はセッションで何を話したいんだろう。

今、他のトピックを差し置いてでも、それをマイコーチと話したいことには、どんな気持ちがあるんだろう。

まさに自分自身に矢印が向いているこの瞬間こそ、コーチングが起こっていると、私は信じています。

どうか、あなたとあなたのコーチとのセッションが、あなたの意識や行動のきっかけになりますように。

今日も佳い日で。

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