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「コーチングのコ」の魅力3,000文字が、選考委員殿に届きますように。

JAPAN PODCAST AWARDS 2025 一次選考の通過作品が発表され、大好きな「コーチングのコ」がノミネートされた。ひとりのリスナーとして心から嬉しい!この素晴らしい番組の魅力はXの140字に到底おさまらず、私が思う魅力を3,000字で綴ってみます。どうか選考委員の皆さんに届きますように。




前提:この記事のはじめに伝えておきたい用語

まず、この記事を読んでいただくうえで、お伝えしておきたい用語を挙げます。いずれもリスナーであり、コーチングを生業にする私自身による解釈であることを、申し添えます。

コーチ:傾聴などを行い、コーチングを行う人。

クライアント:コーチングを受ける人。コーチに胸の内を話す。「コーチングのコ」でいえば、ゲストとなるポッドキャスターさん。

セッション:コーチとクライアントの1対1の対話。「コーチングのコ」でいえば、各回の前編に相当。


「コーチングのコ」の前身のこと

ポッドキャスト「独立後のリアル」のパーソナリティでプロコーチのお二人が、番組 (#184) で、ポッドキャスター・ゆとりフリーターさんにコーチングをされていた。この回がいわば「コーチングのコ」の前身と言われている。

ゆとりさんがOKしてくださったからこそ、「コーチングのコ」がうまれたのだろうか。ますます、ゆとりさん偉大。

さらに、2023年11月に収録された 「from雑談 [session]」 は、このエピソードに興味を持たれた雑談のMechikuroさんとともに振り返る回。ここでMechikuroさんが「コーチングは技術だね」「ポッドキャストと相性が良い」と仰っていたのが、とてもとても印象的だった。

「コーチングのコ」の初回配信は2024年5月であったから、この間、2024年5月にかけて、「コーチングのコ」の企画が練りに練られたのだろう。胸の内を話す場であるコーチングを音声配信で公開することにOKするまでの道のりを想像すると、リスペクトしかない。


拍手その1:コーチングの裾野が広がるきっかけになったこと

「コーチング」という言葉を交わすと「カウンセリングと何が違うの?」という会話になることも多く、コーチングを「分かるようで分からない」方が一定数いらっしゃる。私の親もそうだ。また、エグゼクティブのためのものという印象も強く、「自分には関係ない」と思う方もいらっしゃる。

そんな方に向けて、「もっと身近なんだよ」というメッセージが伝わったのではないか。ちょっとモヤつくこと、一歩踏み出すかやっぱりやめようか、そんな身近なテーマを入口に、クライアントが大切にしていることにアクセスする対話。「カミナリが怖い」(#11, #12) がテーマだっていいんだ。

「コーチングとはこういうものです」という説明に終始せず、実際の対話の配信により、まるで富士山が横に10倍に引き伸ばされるくらい、コーチングの裾野が広がったと思う。2024年11月のPODCAST WEEKEND 「コーチングのコ」ブースで、体験会コーチを担った私は、当日の様子を見て確信した。

決してエグゼクティブだけのものではない。身近なテーマでいい。「カミナリが怖い」でいいじゃないか。それが今、クライアントにとって、本当に大切で、本当に話したいのなら。


拍手その2:コーチとしての学びの材料となったこと

コーチ目線でいうと、これは本当に大きな学びの材料だ。無料なのが申し訳ないくらいだ、だからこそ私は熱く推したいのだ。

もちろん、前編「セッション編」で繰り広げられる、コーチの関わり方も聴き逃がせない。さらに、ナビゲーター役が各セッションの冒頭に話す言葉は、コーチングをはじめて受ける方に対してどう接したらいいかの材料になる。体験セッションでの幅が、確実に広がる。

しかし、コーチとしてさらに必聴に値するのは、後編の振り返り回だ。クライアントとして出演された方はポッドキャスター、つまり話し家だ。そんな方々が (ほぼ) 初めてコーチングを受け、どんな言葉をどう出しているのか。興奮の様子や、意外に思われたこと、湧き上がるような想いを聴きたい。


拍手その3:番組としての美しさ

まず、イントロがカッコよすぎる。この時点で番組として美しい。前編にセッション、後編に振り返り回という構成も秀逸。1対1で本番・本音の対話が繰り広げられる前編のコーチングセッションに続いて、後編では、まるでバックステージの楽屋にいるかのような振り返りの対話に続く。

ポッドキャストという音声情報だけの世界だからこそ、細やかでリアルな人間の息づかいや、感情の動き、その場の情景が伝わってくる。クライアントの沈黙には音声の波形はない。しかし、感情の機微がこんなに反映されるとは。

音声機材のテクニカルなことに全く明るくないのだが、私には、単純に人間の声を拾うだけでなく、その声に付随する周辺の音 ( グラスの音や、椅子を動かす音など ) も的確に捉えているように感じた。これは何か機材セッティングの妙なのだろうか。いずれにせよ、私には光って聴こえた。


超個人的お気に入り回、それは「表に出るか出ないか問題」

完全な主観で、「コーチングのコ」を推してきたのだが、最後に、特に個人的なお気に入り回をシェアさせてほしい。( どの回もそれぞれ好きなのだけど )

それは、「表に出るか出ないか問題」(#9, #10)

この回の素晴らしいところは、セッションで決めた思いが、クライアントであるAndyさんの行動につながっているところだと思うのだ。

コーチングは「気づいてスッキリ大発見!」にとどまらず、セッションが終わった後の日常の行動が大切だと、私は思っている。コーチングは、セッションでは終わらない。日常に続いていく。

このセッションで「表に出ましょう」と仰ったAndyさんはその後、航空会社のAIRDOと一緒に「ON-AIRDO声で旅する北海道」 (#おんえあどぅ) という、これまた素ん晴らしいポッドキャスト番組を立ち上げ、制作・出演に関わっていらっしゃる。私は大好きな番組が増えて困っている。

AndyさんのXのポストからも、コーチングが機能しているように伝わってくる。

また、コーチ目線で言えば、コーチが途中でガバッと方向性 (コーチ界隈の言葉でいうと指針) を転換したところはすごくて震えた。これは私の喩えだが、それまでスローバラードを奏でようとしていたところを、急にガラッとジャズに転調するかのようなインパクトを感じた。学びになる。

ついでに言うと、コーチであるゆかさんが、Andyさんが着ている素敵なTシャツを説明しようとしたら、急にAndyさんに振って「ちょっと・・・Tシャツの説明・・してもらっていいですか?笑」という茶目っ気シーンも個人的にはツボ。リスナーを思う親心、エンターテイナーぶりが立ち現れた瞬間?


番組を、聴こう。

JAPAN PODCAST AWARDS の一次選考を通過したことは、本当に本当に嬉しい!しかし、「良かったね」で幕をおろしてはならない

制作に関わった方々、コーチの方々、そして何より、音声配信での公開をOKして話してくださったポッドキャスターの方々にリスペクトの気持ちを持って。聴こう。番組とは、聴くものだ。

聴けば聴くほど、聴こえてくるのだ。コーチングの魅力と、人としての魅力が。

聴こう。

今日も佳い日で。

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