今日も私は仕事に出る
昨日は銀座のお気に入りのバーで飲んで二日酔い。
1X年ぶりにやらかした二日酔いに懐かしい気持ちになりつつ当時の自分のバカさ加減にうんざりする
いや今も生意気でバカだとは思っているけれど。
30代半ば、フリーランス10年目、クールに受け流す選択欄、秒速で現場を判断するスキルを手に入れても未だ私の頭は20代前半で止まったままなのである。
滅多に乗らない銀座線に2日連続で世話になりながら、適当な音楽を聴き、このアーティストがフェスに来たらと思いながらプレイリストを作る。
敬愛するバンドのフロントマンが最近Twitterで昔話をしてくれるので当時の記憶が鉄砲水のように流れ込んできて、30代半ばの私と20代の私が同居して居心地が悪い。
実家から全て回収してアルバムに綴じたフィルムをフィルムスキャナーにかけたかったのにずっと放置していた。例のフロントマンがツイートし始めて私は過去を漁るやる気を出した。
過去を思い出すのは嫌い、過去に縛られるだけは勘弁してくれ!と言い続けてるのに過去のパッションを引き継いで生きている私にとっては過去を思い出すのは自分のやる気を研ぎ澄ます儀式みたいなモノなのだなと最近やたら肯定的だ。
機材入れの1/4は圧迫しているフィルム棚を漁り、一つ一つ見て行くと緻密にメモがされたものが貼られていたり、めんどくさくて何も書いてないものもある。
もう15年も会っていないような人々の像が現れてくる。嬉しいけどモヤつく。この人たちは今どこで何をしているのか、6割は知らない。
写真はオーディオカタログというバンド。
ギターボーカルの南郷さんもベースの文ちゃんも今もライブハウスで演奏している
ドラムのまっぴーはもうドラムを叩いてなさそうだけれど相変わらず私と連絡を取ってくれる。
15年前撮っていたバンド全員と連絡できてるのは奇跡に近いのだなとドラムのまっぴーにLINEをした。
「懐かしくて笑っちゃうね」
「としこちゃんはいい仕事するよ。友達としてカメラマンでしっかり飯食ってる事、誇りに思うよ」
相変わらずの優しい文章にふふっとする。
そんな事ないよ、当時は足掻いていてひどい写真そのものだよ。少し恥ずかしくて謙遜する中、まっぴーは続けた。
「今さ、厳しい時期だけれどさ、いつか必ず終わる事だからそれまで我慢しようね。としこちゃんのおかげでやっぱりライブハウスはいいなぁって思ったよ。必ずまた元気に会おう」
珍しく彼の気持ちが吐露された返信だった。
混沌に塗れ、彼も辛い事がたくさん起こってるのだろう。何もその事に掘り下げる事なんてできなかった。いつも面白おかしく話す彼からこんな言葉が出てくるんだもの。
きっとまたいつかライブハウスで会える
わたしはそう返信した。
またみんなと集まる企画、考えよう。
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