砂和ちゃん「サワチャはまじめにセンシティブ」
岡山県真庭市。
中国山地・蒜山高原を臨む山あいの中、湯原ダムの下流に位置し、旭川に沿って広がる温泉地、湯原温泉。
湯原温泉には、河原に湧く天然露天風呂の「砂湯」がある。この砂湯は、露天風呂番付で西の横綱の地位にあり、湯原温泉街を象徴する存在である。
時は夜。
砂湯に、一人の人影がある。
「ふうっ…、やっぱり、露天風呂はいいわね…。」
湯原砂和。
湯原温泉の温泉むすめで、湯原温泉特別観光大使に任命されている。同じく岡山県の温泉むすめ、湯郷美彩(湯郷温泉)・奥津かがみ(奥津温泉)とあわせて「美作三姉妹」「美作スリースターズ」として、ユニット的な活動もしている。
好きなものは、もちろん砂湯、露天風呂、そして、湯原のおみやげとして親しまれているカステラである。
特技は砂遊びで、無視やぞんざいな扱いをされると、砂湯に入り隅っこで砂利をいじることもある。
砂湯は男女共同の露天風呂であるが、地域の皆様により管理されており、不法行為についても周知がされている。また、人為的でない天然の露天風呂であることから、衛生上のマナーを記した「入浴指南」もある。砂湯の存在には、地域と入浴者の協力と理解が不可欠である。
「みんなの協力がなければ、この砂湯は成り立たないんだから、大事にしないとね…。」
砂和は、湯船の中で全身を伸ばしてリラックスしている。
あたかも温泉の効能を、身体全体で感じているかのようである。
「外で何もまとわず、自然の恵みに身を委ねるのは最高の贅沢ね…。」
165センチの身長、真っ白な肌、艷やかな黒髪に、お湯の光反射や湯気の曇りが映え、芸術的な美しさすら醸し出している。
「この開放感は、内風呂では味わえないわね…。すっぱだかだからこそ、得られることね。」
お湯の温度に、砂和の身体が桜色に染まっていく。湯気が身体をうまく隠し、タオルがなくても大丈夫?な感じになっている。
「今の時間なら、誰も入って来ないわよね…。タオルもないけど、誰か来たらその時はそのと」
さて、露天風呂はここまでにして、湯原砂和にはこんな趣味がある。
ある日の昼下がり、地域の集会所。
その一室で、こんな講座が開かれていた。
「湯原砂和の温泉講座」
「…ということで、温泉にはこういった効能があります。楽しく、安全に、皆さんも温泉を楽しんでくださいね。それでは、今日の講座はこれで終わりです。ありがとうございました!」
『ありがとうございました!』
砂和の趣味は、「人に教えること、医療知識を学ぶこと」であり、温泉指南役を自負している。
そして、お世話好きでもあることから、こうして地域の老人たちや観光客の健康相談に乗ったり、温泉の講座を開いたりしているのだ。
参加者の声①
『毎回親身になって教えてくれるから、本当にためになりますね。』
参加者の声②
『講義も面白いし、砂和ちゃんに会うと、元気をもらえるんだよ。』
参加者の声③
『サワチャ!』
参加者からは好評を博しており、定期的に開催されている。教えたがりというと、おせっかいとも見られるかも知れないが、自分の知識を積極的に伝えている。
「相談や講座では、相手に対し自分を飾ることなく、ありのままでお話をすることが大事だと考えてます。全部脱ぎ捨てて裸のままという気持ちで向き合」
ところで、温泉と健康には、密接な関係があると考えられる。
温泉地や温泉により、泉質や効能・効果は異なっており、全く同じ温泉は二つもない、と言っても過言ではない。
もちろん知識がなくとも、温泉を楽しむことはできる。だけど、知識があれば、より温泉を楽しめる。
砂和はそんな気持ちで、温泉講座を開いている。
「そうですよ。ただ露出してるだけじゃな」
終わり。
「…ちょっとぉ…、何で私のセリフが、途中で途切れてるの…?いいもん、砂いじりで紛らせるから…。」
(今度こそ)終わり。
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