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温泉むすめ二次創作小話「浮乃ちゃん歌蓮ちゃん」他(不定期掲載)

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温泉むすめ二次創作小話「浮乃ちゃん歌蓮ちゃん」他(不定期掲載)

最近の記事

ひなビタ♪15「たこ焼きビタースイーツ♪」

倉野川市、日向美商店街。 元気のなくなった地方都市の商店街を盛り上げるために組まれたガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」。 咲子の喫茶店、シャノワール。 お昼どきは、近所の人や仕事の昼休憩の人、そして、咲子のメイド服姿を見に来た人など、多くの客のランチタイムで賑わっている。 賑わうのは良いことだが、お店の忙しさもピークの時間帯でもある。 「ありがとうございました!」 午後一時半。ランチタイムが終わり、忙しさも一区切りつき、店内にひとときの静けさが訪れた。 (ふう

    • 砂和ちゃん「サワチャはまじめにセンシティブ」

      岡山県真庭市。 中国山地・蒜山高原を臨む山あいの中、湯原ダムの下流に位置し、旭川に沿って広がる温泉地、湯原温泉。 湯原温泉には、河原に湧く天然露天風呂の「砂湯」がある。この砂湯は、露天風呂番付で西の横綱の地位にあり、湯原温泉街を象徴する存在である。 時は夜。 砂湯に、一人の人影がある。 「ふうっ…、やっぱり、露天風呂はいいわね…。」 湯原砂和。 湯原温泉の温泉むすめで、湯原温泉特別観光大使に任命されている。同じく岡山県の温泉むすめ、湯郷美彩(湯郷温泉)・奥津かがみ(奥津

      • ひなビタ♪纒とすみれ「仰げば尊しすみれの恩」

        倉野川市、日向美商店街。 元気のなくなった地方都市の商店街を盛り上げるために組まれたガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」。 倉野川市役所、観光課。 名前の通り、倉野川市の観光に関わる業務全般を扱う。 市役所の新人職員・菫平すみれ(すみれだいら すみれ)は、この部署に配属されて働いている。 すみれの上司は、久領堤纒であ 「違います…。『偉大なる久領堤纒大先輩』です…。以後、お間違えのないように…。」 すみれの上司は、偉大なる久領堤纒大先輩である。そして、纒はすみれの「

        • 浮乃ちゃんしじみちゃん「しじみだしっ!」

          東郷湖畔、はわい温泉街。 湯梨浜町は夏真っ盛りである。 浮乃としじみが、ステージに二人で並んだ。 二人の真ん中に、センターマイクが立ててある。 「こんにちは!はわい東郷浮乃です。」 『こんにちは。松江しんじ湖しじみです。よろしくお願いします。』 「…ちょっと、もう一回あいさつをしてよ。」 『えっ?今、したじゃないですか。』 「いいから!」 『は、はい…。こんにちは、松江しんじ湖しじみです。』 「ダメじゃない!」 『な、何がですか…?』 「松江のPRは分かったから、名前を名

          ひなビタ♪9-2「咲子と凛のアコースティックール2」

          ※ひなビタ♪9-1「咲子と凛のアコースティックール」の続きです。 翌日。凛の部屋。 昨日、凛と咲子は、咲子の部屋で夕方まで眠り続けた。そのため、目が覚めたときは、二人とも昼食を食べていなかったため、空腹で大変なことになったという。 「…昨日は、長々と眠ったわね…。」 「起きたら、ものすごくお腹が空きましたね…。」 「…やっぱり、熱中し過ぎて食事を抜くのは、よろしくないわね。」 「でも、とってもとっても、ゆっくり眠れましたね。」 「…それは、そうだったけど…。」 話しな

          ひなビタ♪9-2「咲子と凛のアコースティックール2」

          ひなビタ♪14「真夏の昼の百合」

          倉野川市、日向美商店街。 元気のなくなった地方都市の商店街を盛り上げるために組まれたガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」。 8月。 全国が真夏に入り、倉野川市も連日暑さが続いている。 日向美ビタースイーツ♪のメンバー五人が、咲子の喫茶店・シャノワールに集まっている…、が、五人以外にお客はいない。 「…ふおおっ…暑いね…。」 「…こんな暑さ、ありえないしっ…。」 「…これじゃ、お店も開けられないめう…。」 実はシャノワールは、昨日の営業中にエアコンの室外機が故障し、今日

          ひなビタ♪14「真夏の昼の百合」

          おたねちゃん「おたねとおみさのなないろガシ」

          鳥取県日野郡江府町武庫(むこ)。 この地に、一年で七回も葉っぱの色が変わり、枝を切ると樹液ではなく血が流れ、幹を傷つけると災難が降り掛かるという言い伝えがある、樫の木がある。 その伝記から、「七色ガシ」と呼ばれている。 おたねは江府町の取材で、武庫地区を訪れていて、七色ガシを見に来ている。 江府町のご当地VTuberとしても活動をしているので、江府町にはよく訪れているのだ。 (うわぁ〜…、これは、立派な木ですね…。) 七色ガシの立つ場所に着き、木の見事さに圧倒された。 木

          おたねちゃん「おたねとおみさのなないろガシ」

          ひなビタ♪13「りんちゃんりんたんぺったんたん」

          ※作中のスタンプラリーは、架空のものです。 倉野川市、日向美商店街。 元気のなくなった地方都市の商店街を盛り上げるために組まれたガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」。 6月。 倉野川市にとって、毎年の恒例イベントである「倉野川ぺったんたんラリー」が、今年も開催される。 このラリーは、倉野川商店街のお店を訪れたり、飲食店で食べるとお店からスタンプ台紙にスタンプがもらえ、スタンプの個数によって日向美ビタースイーツ♪のグッズがもらえる、というイベントである。 期間は6月か

          ひなビタ♪13「りんちゃんりんたんぺったんたん」

          浮乃ちゃん歌蓮ちゃん42「うきのとかれんの料理ちゃんねる」

          東郷湖畔、はわい温泉街.. はわい東郷浮乃と三朝歌蓮は、浮乃の部屋でくつろいで…おらず、キッチンにいる。 「こんにちは。はわい東郷浮乃です。」 「…誰にあいさつをしてるんですか?」 「『うきのとかれんの料理ちゃんねる』をご覧の方に向けてだよ。」 「…いつから始まったんですか?」 「今からだよ。」 ゴンッ! 歌蓮が、調理台に頭を打った。 「テーブルの時より音が大きいね。」 「変な感心をしないでください!」 「じゃあ、歌蓮ちゃんもあいさつをしてよ。」 「えっ、私もですか!

          浮乃ちゃん歌蓮ちゃん42「うきのとかれんの料理ちゃんねる」

          ひなビタ♪凛「パブリックイメージ」

          ホワイトノイズ ブラックアウト 光は全てをさらけ出し 闇は全てを塗りつぶす 相反する世界の中で みんな、みんなが あなただけのベールで 自分を守ってる 色めがねはただのまぼろし 確かなものなんて何もないのに いつも答えを探してる 私は… 終わり。

          ひなビタ♪凛「パブリックイメージ」

          ひなビタ♪12「空耳シフォンケーキ」

          倉野川市、日向美商店街。 元気のなくなった地方都市の商店街を盛り上げるために組まれたガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」。 霜月凛が、商店街をシャノワールに向かって歩いている。 (…みんなと会うのも、久々ね…。) ここのところ、凛は家の手伝いなどで忙しく、まり花たち四人と会えていなかった。そのため、会うのは十日振りとなる。 (…もう、レコード屋たちは集まってるわよね…。) シャノワールに着き、店のドアを開けようとした時、中からまり花の大きな声が聞こえた。 「ふ

          ひなビタ♪12「空耳シフォンケーキ」

          ひなビタ♪11「ひとりよがりのひとりゆり」

          倉野川市、日向美商店街。 元気のなくなった地方都市の商店街を盛り上げるために組まれたガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」。 凛が、いつものように一人で本を読んでいる。 だが、今日の凛はどこかうわの空である。ページを繰ってはいるが、内容は頭に入っていない。 (…日向美ビタースイーツ♪…。バンドとしてのまとまりは、最初と比べて目覚ましく成長を遂げているわね…。) 凛の加入により、バンドの音楽レベルは向上し、まり花たちメンバーの実力も上がっている。それは認めるところであ

          ひなビタ♪11「ひとりよがりのひとりゆり」

          しじみちゃん彗ちゃん「しじみと彗のさんぽみち」

          島根県松江市。 時は夕暮れ、宍道湖に夕日が反射し、湖面をあかね色に照らしている。 松江市・松江しんじ湖温泉の温泉むすめ、松江しんじ湖しじみと、同じく松江市玉湯町・玉造温泉の温泉むすめ、玉造彗が、二人で宍道湖沿いを散歩している。 「…こんなに綺麗な景色を見ながら散歩ができるなんて、幸せね…。」 しじみは夕日に照らされ、いつものように(?)お昼のさわやかさとは異なる、魔性の色気がにじみ出ている。 「しじみは、昼と夕暮れで、全く見せる顔が違うわね…。」 彗がしみじみと言う。

          しじみちゃん彗ちゃん「しじみと彗のさんぽみち」

          ひなビタ♪10「ふらふらフラッペチーノ」

          倉野川市、日向美商店街。 元気のなくなった地方都市の商店街を盛り上げるために組まれたガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」。 今日は音楽スタジオで、日向美ビタースイーツ♪のバンド練習が行われている。 アマチュアであるが、音楽にかける情熱はプロ以上で、メンバーの音と音の熱いやり取りが繰り広げられている。 ジャーン!…ダカドンッ! めうのドラムの締めで、曲が終わった。 「お疲れめう。…いや〜、この曲は疲れるめう…。」 「そうだよね。めうは、ツーバスを踏みっぱなしだし…

          ひなビタ♪10「ふらふらフラッペチーノ」

          ひなビタ♪9-1「咲子と凛のアコースティックール」

          倉野川市、日向美商店街。 元気のなくなった地方都市の商店街を盛り上げるために組まれたガールズバンド「日向美ビタースイーツ♪」。 咲子と凛が、凛の部屋で楽曲のギターについて話し合っている。 「ここのパートは、クリーンな方が良いですか?」 「そこはサビに向けて盛り上がるところだから、もう少し歪みを足した方が良くなるわ。」 「はい、分かりました。」 凛のアドバイス通りに咲子がエフェクターを調整し、歪みのゲージを上げる。 「…そうですね、この方がしっくり来ますね。」 「うん、

          ひなビタ♪9-1「咲子と凛のアコースティックール」

          ひなビタ♪8-4「凛として飲む紅茶の如く4」

          ※ひなビタ♪8-1「凛として飲む〜」、ひなビタ♪8-2「凛として飲む〜2」、ひなビタ♪8-3「凛として飲む〜3」の続きです。 ー メイド咲子の場合。 「いらっしゃいませ、お客様。本日お相手をいたします、咲子と申します。よろしくお願いします。」 さすが本職である。堂に入ったにっこり笑顔であいさつをして、客を席にエスコートした。 「シャノワールへのご来店は、本日が初めてですか?」 『はい…。失礼ながら、倉野川にこんな店があるなんて、知らなかったです…。』 「うふふ、シャノ

          ひなビタ♪8-4「凛として飲む紅茶の如く4」