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業務の共通認識

こんにちは、BYARDの武内です。
今週のnoteはHubbleさんのこちらの記事からインスピレーションを受けて書いていきます。


1.業務プロセスが実は見えていない

業務の目的意識

3人のレンガ職人についての寓話を聞いたことがあるでしょうか。

中性のヨーロッパの街で、重たいレンガを運んだり、積んだりしている3人の職人に旅人が「何をしているのですか?」と尋ねます。
1人目は「親方の命令で”レンガ”を積んでいるのさ。」と答えます。
2人目は「レンガを積んで“壁”を作っているんだ。」と答えます。
3人目は「レンガを積んで、後世に残る“大聖堂”を造っているんだ。」と答えます。

様々なところで引用されるこの寓話ですが、マネジメントとして重要なのはいかにして3人目の職人のように明確な目的意識をもって業務に取り組んでもらうか、ということです。

レンガを積むのは単なる作業であり、レンガを積んで壁を作るのは大聖堂を作るための1つのパーツを作っているに過ぎません。

こういう分かりやすい例示であれば当たり前のことに思えるかもしれませんが、実際の業務はもっと複雑ですし、期間や粒度、難易度も様々であるため、かなり意識しておかないといつの間にか目の前の作業をこなしたり、自分の業務だけで完結したような錯覚に陥ってしまうのです。

すべてが自分の把握できる範囲の中で完結できるのは、スモールビジネスの規模だけです。組織を作り、そこで様々な役割に応じて分業体制を敷くことで、私たちは効率的に規模を拡大して、成果を出していくことができます。一方で、この分業体制が高度に発展するほどに、業務の目的意識も薄まり「何のためにやっているのか」ということを考えることが少なくなっていきます。

そうならないために重要なのが、業務プロセスの可視化です。

業務プロセスの可視化

BYARDで作成した入社業務プロセス

業務プロセスの具体例として、ここでは「入社業務」をイメージしてください。こちらはBYARDで作成した入社業務のストリームです。

採用ツールとしては様々なATS(Applicant Tracking System、採用管理システム)がありますが、いずれも内定を出すところまでの管理に特化しており、内定承諾書の締結、備品の準備、アカウント発行などの入社対応にあたって発生する様々なタスク管理は各担当者に委ねられているケースが大半です。

以前note記事にしたSmartHR社においては、複数部署にまたがって行われる入社対応の業務は、入社する人数が増えるにつれてかなり煩雑になり、フロー図という形で可視化することで関係者間の意思の統一を図っていました。

SmartHR社はドキュメント文化が根付いており、あらゆる業務手順などは詳細にドキュメント化されていますが、詳細なマニュアルを作るだけでは入社対応のような複数の関係者にまたがる業務を行うにあたっては十分ではありませんでした。

各担当者が「分かっている」つもりだったとしても、こうやって業務プロセスの全体像を作成してみると、実はちょっとずつ認識が違ったり、前後関係が誤っていたりすることが組織規模が大きくなるほど頻繁に起こります。

このちょっとしたズレが積み重なることで、時としてミスやトラブルを引き起こしますし、担当者が変わった際に同じクオリティで業務継続することができないことに繋がります。

業務マニュアルは必要ですが、それだけでは十分ではありません。業務に関わる関係者やマネージャーも含めて、全員の業務の共通認識とも言うべき「業務プロセスの可視化」が非常に大事になってくるのです。

工場のベルトコンベアのように目に見える業務プロセスがあれば別ですが、大半の業務プロセスは目には見えません。単発の処理で完了するタスクではない限り、業務プロセスを可視化し、関係者で同じものを見ながら業務を進行したり、改善を検討したりすることは非常に重要なのです。

2.まずは可視化して共通認識をつくる

業務設計士として、様々な企業様の業務設計に関わってきましたが、最初から高い理想像を掲げてマネジメント層が突っ走ってしまうと、現状とのあまりのギャップに現場がついてこれず、改善プロジェクトが頓挫することが多々ありました。

理想像をもっていることはもちろん悪いことではないのですが、長く続けてきた業務ほど今の形になっている理由や背景があります(惰性でそうなっているものも多いですが・・・)。

完璧な業務プロセスというものは存在しませんし、業務プロセスの見直しはかなりの労力が必要なので、課題があると分かっていながら放置しているケースもあります。

いずれにしろ、私がオススメしているのは、まずは関係者(マネージャーを含む)で集まって簡単な業務プロセスの全体像を描いてみることです。多くの場合は、マネージャーを含めて誰も正確な全体像を把握していません。各担当者は自分の業務のことだけしか把握していなかったり、マネージャーが把握している業務プロセスは結構古いものだったり、ザックリとした概要だけだったりするからです。

BYARDは業務設計プラットフォームを標榜していることもあり、導入いただくお客様も「BYARDをいれて業務を効率化したい!」という強い想いをもっていただいていることが大半です。そういうお客様でも、「まずは業務プロセスを一緒に作ってみましょう」というワークをやってみると、「あれ?そこの前にこの処理ありませんか」とか、「その手続きはもうやってないですよ」といった声が関係者間で多発します。

理想の業務プロセスを作って運用にのせる以前に、まずは現状の業務を可視化・構造化することが最も大事です。「業務の共通認識」を持つだけで業務がスムーズに回るようになり、これだけでもかなりの効率化が実現できます。

「どうやって改善すればいいか分からない」というご相談をいただくことは多いのですが、まずは現状の正しい業務プロセスが可視化・構造化できていなければ、改善するためのスタートラインに立つこともできません。

BYARDの大きな特徴は、業務プロセスを可視化・構造化して、そのままその業務プロセスを使って、業務の進捗管理ができることです。コンサルタントがマニュアルやフロー図を作って納品しても、日々の業務の中ではそれらがほとんど参照されないという場面をたくさん見てきたので、ここが1つのシステムの中でシームレスに繋がることにBYARDは強いこだわりを持って開発しています。

「業務の共通認識」を持つだけでも大きな前進です。最終的には現状からより効率的な形に進化させていけることが理想ですが、まずは可視化・構造化をしっかりと行い、関係者全員にそれを共有しましょう。

業務のデジタル化が進むほどに、この「業務の共通認識」の重要度が高まっているのです。

BYARDのご紹介

BYARDはツールを提供するだけでなく、初期の業務設計コンサルティングをしっかり伴走させていただきますので、自社の業務プロセスが確実に可視化され、業務改善をするための土台を早期に整えることができます。
BYARDはマニュアルやフロー図を作るのではなく、「業務を可視化し、業務設計ができる状態を維持する」という価値を提供するツールです。この辺りに課題を抱える皆様、ぜひお気軽にご連絡ください。

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武内俊介@業務設計士
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